“透”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
す43.6%
すか28.2%
とお16.9%
とほ6.4%
すき2.7%
すかし0.3%
ス0.3%
すきとお0.2%
とう0.2%
とおる0.2%
とほる0.2%
たう0.1%
こ0.1%
すく0.1%
スカ0.1%
トオ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
和尚(おしょう)さんのお部屋(へや)があんまり静(しず)かなので、小僧(こぞう)さんたちは、どうしたのかと思(おも)って、そっと障子(しょうじ)の透(す)き間(ま)から中をのぞいてみました。
文福茶がま (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
浴室(よくしつ)の窓(まど)からも此(これ)が見(み)えて、薄(うつす)りと湯氣(ゆげ)を透(すか)すと、ほかの土地(とち)には餘(あま)りあるまい、海市(かいし)に對(たい)する、山谷(さんこく)の蜃氣樓(しんきろう)と言(い)つた風情(ふぜい)がある。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
甲高いよく透(とお)る声で早口にものをいい、かならず人先に発言し、真面目(まじめ)な話にも洒落(しゃれ)や地口をまぜ、嘲弄(ちょうろう)するような言いかたをする。
鈴木主水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
金と銀との花の盞から静かにこぼれ落ちる金と銀との花の芬香(ふんかう)は、大気の動きにつれて、音もなくあたりに浸(し)み透(とほ)り、また揺曳する。
水仙の幻想 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
集(つど)える衆の肩背の透(すき)に、霊地の口に、自動車が見えて、巨像の腹の鳴るがごとく、時々、ぐわッぐわッと自己の存在と生活を叫んでいる。
染色(そめいろ)は、紅(くれない)、黄、透(すかし)、絞(しぼり)、白百合は潔く、袂(たもと)、鹿(か)の子は愛々しい。薩摩(さつま)、琉球(りゅうきゅう)、朝鮮、吉野、花の名の八重百合というのもある。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
明りのさゝなかつた墓穴の中が、時を經て、薄い氷の膜ほど透(ス)けてきて、物のたゝずまひを、幾分朧ろに、見わけることが出來るやうになつて來た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
西洋ではこれで出来たコップがあるが、光線が透(すきとお)って中の液が実に美しく見える。台湾のように暑くて、飲物がほしい土地では、この材料を何とか生かすといいね。
台湾の民芸について (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
「サァ明朝(あす)は早いぞ、もう寝ようか」と、狭い天幕(てんと)内へゾロゾロと入り込んだが、下は薄い筵(むしろ)一枚で水がジメジメ透(とう)して来る。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
多代子はFの町の近在の三好という豪農のむすめで、兄の透(とおる)という青年と一緒に上京して、ある女学校に通っている。
深見夫人の死 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
だが、石井柏亭氏等(ら)の後方(うしろ)にも岩村透(とほる)男(だん)といふ茶目が控へてゐる。
翌朝(よくあさ)、銅鑼(どら)の鳴(な)る音(ね)に驚(おどろ)き目醒(めさ)めたのは八時(じ)三十分(ぷん)で、海上(かいじやう)の旭光(あさひ)は舷窓(げんさう)を透(たう)して鮮明(あざやか)に室内(しつない)を照(てら)して居(を)つた。船中(せんちゆう)八時(じ)三十分(ぷん)の銅鑼(どら)は通常(つうじやう)朝食(サツパー)の報知(しらせ)である。
戸外(そと)の模様は分りようがない。しかし暗くって湿(しめ)ッぽい空気が障子(しょうじ)の紙を透(こ)して、一面に囲炉裏(いろり)の周囲(まわり)を襲(おそ)って来た。並んでいる十四五人の顔がしだいしだいに漠然(ぼんやり)する。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
堪(こらへ)て居る中既(すで)に寅刻(なゝつ)の鐘(かね)も聞え月は梢(こずゑ)の間に顯(あらは)れ木の間/\も現々(あり/\)と茶店(さてん)の中まで見え透(すく)ゆゑ安五郎は不※(ふと)此方(こなた)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
祝詞を透(スカ)して見た古代信仰では、前者が後の合理観で、後者が正しいものと言はねばならぬ事になる。(詳しくは「あきつ神」の論の部に譲りたい。)
○春風ア岩(イワ)透(トオ)す。
津軽地方特有の俚諺 (新字旧仮名) / 福士幸次郎(著)