“鮮明”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あざやか60.0%
せんめい14.3%
はっき11.4%
はっきり8.6%
あざや2.9%
くっきり2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのうちも心のく、山はと見ると、戸室とむろが低くなって、この医王山が鮮明あざやか深翠ふかみどり、肩の上から下に瞰下みおろされるような気がしました。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鮮明せんめい玲瑯れいろうな、みがきにみがいたような太陽の光、しかもそれが自分ひとりに向かって放射ほうしゃされているように、自分の周囲がまぼしく明るい。
落穂 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
その時、楠の木の幹の面へ朦朧もうろうと人影が浮かび出たが、だんだんその影が濃くなって来る。やがて鮮明はっきり鬼王丸の姿が楠の木を背後うしろにして現われ出た。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
凶行の現場から老人の室まで恐ろしく鮮明はっきりした靴跡をけて、そのままちゃんと老人の室に置かれてあったことなども老人は夢にも知らなかった。
死の航海 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼は始めて新らしい世界に臨む人の鋭どい眼をもって、実家へ引き取られた遠い昔を鮮明あざやかに眺めた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
単衣ひとえあい、帯の柳、うす青いつま、白い足袋まで、雨明あまあかりというのに、濡々と鮮明くっきりした。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)