“藍”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あい75.9%
あゐ20.7%
らん1.3%
あお0.9%
あを0.4%
インディゴオ0.4%
ゴス0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ある親島から支島えだじまへ、カヌウで渡った時、白熱の日の光に、あいの透通る、澄んで静かな波のひと処、たちまち濃い萌黄もえぎに色が変った。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
伜孫三郎の腕の中に、辛くも擧げた孫六の顏は、月の光の中ながらあゐいたやう、自分の脇差に胸を貫かれて、最早頼み少ない姿です。
水は漫々としてらんたたえ、まばゆき日のかげもここの森にはささで、水面をわたる風寒く、颯々さっさつとして声あり。おじはここに来てソとわれをおろしつ。
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
がれてきた夕月の下は、あおいあおい夜霞よがすみだった。その遠くのほうで、木工助じじが歌うらしい、子守うたが聞こえていた。
四十ばかりのをとこでした、あたまには浅黄あさぎのヅキンをかぶり、には墨染すみぞめのキモノをつけ、あしもカウカケにつヽんでゐました、そのは、とほくにあをうみをおもはせるやうにかヾやいてゐました。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
何という崇高さだったろう! 下の方は氷河の陰翳いんえいの如く、上に行くにつれ、暗いインディゴオから曇った乳白に至る迄の微妙な色彩変化のあらゆる段階を見せている。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
「この深紅の艶の下によく思いきってゴスを使いましたな。ふうむ。——なかなかいい」
伊太利亜の古陶 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)