“らん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ラン
語句割合
30.1%
19.4%
14.8%
12.8%
9.7%
2.6%
2.6%
2.0%
1.5%
1.5%
1.0%
1.0%
0.5%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
雪の羅衣うすものに、霞の風帯ふうたい、髪には珊瑚さんご簪花さんかいと愛くるしく、桜桃おうとうに似るくちらんまぶた。いや蘭の葉そのものの如きしなやかな手ぶり足ぶり。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やなぎれて条々じょうじょうの煙をらんに吹き込むほどの雨の日である。衣桁いこうけたこんの背広の暗く下がるしたに、黒い靴足袋くつたび三分一さんぶいち裏返しに丸く蹲踞うずくまっている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
らんとしてかがやくこと落日の赤き程度にして、周囲暗黒なるがために特に燦然たり、他の火は水平につらなりて蕩漾とうようするも、この火球は更に動かず。
地震なまず (新字新仮名) / 武者金吉(著)
そういう夜の不安は、応仁おうにんらんあたりから後は、都会でも地方でも、もう当り前のことになって、誰も怪しもうとはしない。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お欠餅かきもちを焼いて、熱い香煎こうせんのお湯へ入れてあげるから、それを食べてごらんよ。きっと、そこへしこってる気持きもちがほごれるよ。」
桃のある風景 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
(一〇九)もと貴戚きせきことごと呉起ごきがいせんとほつす。悼王たうわうするにおよんで、宗室大臣そうしつだいじんらんして呉起ごきむ。呉起ごきはしつてわうきてこれす。
貧して鈍すとも、窮すればらんすとも申して、生活難に追われるとみんなこう堕落して参ります。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ほうくだらんわか
愛卿伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
加之しかのみならずさけ近所きんじよ灘屋なだやか、銀座ぎんざ顱卷はちまき取寄とりよせて、と會員一同くわいゐんいちどう強請きやうせいかんがへてごらんなさい、九九九でひますか。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それかららんの中に菘藍という種類がある。これは染めた後の色はどういうものか私は知らない。従って工業的に価値があるかないか存じませんが、支那では専ら作って居って、大変実用に使って居る。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
言語はもとより多端なり。さんと云ひ、がくと云ひ、ほうと云ひ、らんと云ふ。義の同うして字の異なるを用ふれば、即ち意を隠微のかんぐうするを得べし。大食おほぐらひを大松だいまつと云ひ差出者さしでもの左兵衛次さへゑじと云ふ。
なるほど韓駒かんくの詩の、「言うかれ衲子のうしらんに底無しと、江南こうなんの骨董をり取って帰る」
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
三郎の弟にらんという者があった。事情があってこうにゆく道で、まわり道をして母方の親類にあたるりくという者の家へいって泊った。
阿繊 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
らんが扉のすきからのぞいてみると果して阿繊であった。そこでいった。
阿繊 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
「あのらんは、どこかにお仕舞いでしょうか」
(新字新仮名) / 海野十三(著)