“桜桃”のいろいろな読み方と例文
旧字:櫻桃
読み方割合
さくらんぼ46.2%
おうとう23.1%
さくらんばう23.1%
さくらんぼう7.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小苑が紅熟した桜桃さくらんぼをつまんで食べる時には、桜桃さくらんぼと唇との見わけがつかなかったというほどだから、どんなに美しい女だったかはほぼ想像することが出来る。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
「劉夫人」僕は、顔をはじめて曲げて彼女の桜桃さくらんぼのように上気した、まんまるな顔を一瞥いちべつした。
人造人間殺害事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
四日目の朝、祖父の顔色が、苺色から桜桃さくらんぼ色にまで薄れ、子供のようなやすらかな寝息をたてはじめた。
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
雪の羅衣うすものに、霞の風帯ふうたい、髪には珊瑚さんご簪花さんかいと愛くるしく、桜桃おうとうに似るくちらんまぶた
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それよりむこうのくだものの木の踊りのをごらんなさい。まん中にてきゃんきゃん調子ちょうしをとるのがあれが桜桃おうとうの木ですか。」
チュウリップの幻術 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
桜桃おうとうを取りに行っていたの。」
フォスフォレッスセンス (新字新仮名) / 太宰治(著)
幌馬車キビートカが堰の上へあがると、イワン・フョードロヸッチの眼には、懐かしい茅葺きの古びた家や、いつか彼がこつそり登り登りした林檎や桜桃さくらんばうの樹が見えて来た。
枝もたわわに実のなつた桜桃さくらんばうや、梅や、林檎や、梨。
野桜と桜桃さくらんばうの樹のおぼこらしい叢林しげみは、その根をおづおづと冷たい泉のなかへ伸ばしてゐるが、時々葉ずれの音を立ててざわめくのは、夜風といふ浮気ものがちよいちよい忍び寄つては接吻するのに、腹を立ててゐるのでもあらうか。
まだ少年で、二十歳にも満たず、きれいな顔、桜桃さくらんぼうにも似たくちびる、みごとなまっ黒い頭髪、目に宿ってる春のような輝き、しかもあらゆる悪徳にしみ、あらゆる罪悪を望んでいた。