“脣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くちびる84.3%
くち12.2%
クチ1.7%
くらびる0.9%
はさ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小さい脣(くちびる)を締めるように言って、勝気そうな顔をした女は立って玄関へ行った。その人が帰ってしまってから、みんなは話し合った。
童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
最初の脣(くち)づけはまた最後のものであった。その後マリユスは脣(くちびる)を、コゼットの手か襟巻(えりま)きか髪の毛かより以上のものには触れなかった。
「……生ふる薑(ハジカミ)脣(クチ)ひゞく 我は忘れじ」など言ふ行きあたりばつたりの序歌とは違うて、確かに見据ゑて居る。把握して居る。
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
続いて朋友(ほういう)、門人の銘々が赤彦君の脣(くらびる)を霑した。その時僕等は、病弱のゆゑに、師の臨終に参ずることの出来ない土田耕平(つちだかうへい)君をおもはざることを得なかつた。
島木赤彦臨終記 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
その中に脣(はさ)まれた幾条かの鉄ボールトを露わして、さらにそれを焼き切って二、三尺ずつの断片とし、始めてそれを運び出すことが出来るのだ。
震災後記 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)