“襟巻”のいろいろな読み方と例文
旧字:襟卷
読み方割合
えりまき85.9%
えりま7.0%
ボーア2.8%
ショール1.4%
シヨール1.4%
マフラア1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
学校へ行く時、母上が襟巻えりまきをなさいとて、箪笥たんす曳出ひきだしを引開けた。冷えた広い座敷の空気に、樟脳しょうのうにおいが身に浸渡るように匂った。
(新字新仮名) / 永井荷風(著)
最初のくちづけはまた最後のものであった。その後マリユスはくちびるを、コゼットの手か襟巻えりまきか髪の毛かより以上のものには触れなかった。
駝鳥だちょう襟巻ボーアに似ているでしょう」
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼女は彼の一喝に身動きもなし得ず、例の緑色の襟巻ショールをかぶったまま、部屋のまんなかにとり残された。こう思うと、彼は一瞬間そこに立ち止まった。
花模様のついたタオルを襟巻シヨールのやうに首に巻きつけながら鉄砲をとりあげると
ダニューヴの花嫁 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
その首のめぐりはいつせいに痩せて、ほんのちよつぴり、冬の襟巻マフラアに肖た雲のきれはしをまとつてゐるといふだけ。この灰いろの襟巻。ふゆの遺産。——そこに、まだ春のことぶれはとほい。
(新字旧仮名) / 高祖保(著)