徳永直（とくながすなお）

1899.01.20 〜 1958.02.15

“徳永直”に特徴的な語句

家（うち） 一（ひ） 駈（か） 土堤（どて） 何時（いつ） 一寸（ちょっと） 沢山（たくさん） 煙草（たばこ） 倅（せがれ） 田圃（たんぼ） 喋（しゃ） 慌（あわ） 逢（あ） 身体（からだ） 何故（なぜ） 抛（ほう） 殆（ほと） 見廻（みまわ） 今朝（けさ） 詫（わ） 足許（あしもと） 凱旋（がいせん） 児（こ） 坐（すわ） 傍（そば） 何処（どこ） 訊（き） 止（よ） 上（あが） 咽喉（のど） 経（た） 挽（ひ） 唸（うな） 呟（つぶや） 跣足（はだし） 筈（はず） 睨（にら） 点（つ） 頬（ほ） 馴（な） 打（ぶ） 搬（はこ） 掻（か） 蒲団（ふとん） 親爺（おやじ） 恰度（ちょうど） 反（そ） 手拭（てぬぐい） 天秤棒（てんびんぼう） 隣（とな）

著者としての作品一覧

あまり者（新字新仮名）
読書目安時間：約17分
郷里の家に少しばかりの金を、送金したその受取りの返事を、今朝（工場の休みを）まだ寝床にいた私の枕許へ、台所にいた妻が持ってきた。 郷里を出て、モウまる三年というもの、私と郷里の消息 …

工場新聞（新字新仮名）
読書目安時間：約16分
「タッちゃん、なに読んでるの？」 これも読書組の、トシが傍へよってきて、のぞきこんだ。馴れた臭気だけれど、ムッとめまいするような煙草の匂がした。 「いやよ」 タツは、慌てて読んでた …

こんにゃく売り（新字新仮名）
読書目安時間：約15分
私は今年四十二才になる。ちょうどこの雑誌の読者諸君からみれば、お父さんぐらいの年頃であるが、今から指折り数えると三十年も以前、いまだに忘れることの出来ないなつかしい友達があった。こ …

白い道（新字新仮名）
読書目安時間：約37分
——ほこりっぽい、だらだらな坂道がつきるへんに、すりへった木橋がある。木橋のむこうにかわきあがった白い道路がよこぎっていて、そのまたむこうに、赤煉瓦の塀と鉄の門があった。鉄の門の内 …

戦争雑記（新字新仮名）
読書目安時間：約25分
日露戦争がどんな理由、如何なる露国の、日本に対する圧迫、凌辱に依って、日本の政府が、あの如く日本国民を憤起させて敢て満洲の草原に幾万の同胞の屍を曝させたかは、当時、七歳にしかならな …

光をかかぐる人々（旧字旧仮名）
読書目安時間：約5時間2分
日本の活字活字の發明について私が關心をもつやうになつたのはいつごろからであつたらう？私は幼時から大人になるまで、永らく文撰工や植字工としてはたらいてゐた。それをやめて小説など書くや …

冬枯れ（新字新仮名）
読書目安時間：約48分
この南九州の熊本市まで、東京から慌ただしく帰省してきた左翼作家鷲尾和吉は、三日も経つともうスッカリ苛々していた——。 朝のうちは、女房が洗濯を終るまで子守しなければならぬので、駄菓 …

麦の芽（新字新仮名）
読書目安時間：約10分
善ニョムさんは、息子達夫婦が、肥料を馬の背につけて野良へ出ていってしまう間、尻骨の痛い寝床の中で、眼を瞑って我慢していた。 「じゃとっさん、夕方になったら馬ハミ（糧）だけこさいとい …

眼（新字新仮名）
読書目安時間：約10分
「ね、あんた、今のうち、尾久の家（親類）へでも、行っちゃったがいいと思うんだけど……」 女房のお初が、利平の枕許でしきりと、口説きたてる。利平が、争議団に頭を割られてから、お初はモ …

“徳永直”について

徳永 直（とくなが すなお、1899年（明治32年）1月20日 - 1958年（昭和33年）2月15日）は、日本の小説家。熊本県飽託郡花園村（現熊本市西区）生まれ。職業を転々とした後、共同印刷の労働争議に参加し解雇。この体験から「太陽のない街」を『戦旗』に連載して、以来ナップ系の中心作家となった。戦後は新日本文学会に参加、『妻よねむれ』などを書いて活躍した。
(出典:Wikipedia)