“蒲団”のいろいろな読み方と例文
旧字:蒲團
読み方割合
ふとん93.9%
ぶとん4.7%
クション0.5%
マット0.5%
マトレス0.2%
マトラ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ある時は夢にこの天文台に登りかけてどうしても登れず、もがいて泣き、母に起こされ蒲団(ふとん)の上にすわってまだ泣いた事さえあった。
花物語 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
また或る人たちが下司な河岸(かし)遊びをしたり、或る人が三(み)ツ蒲団(ぶとん)の上で新聞小説を書いて得意になって相方(あいかた)の女に読んで聞かせたり
斎藤緑雨 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
二階の縁側(ヴェランダ)に置いてある籐椅子には、燃ゆるやうな蒲団(クション)が敷いてあつて、此家の主人公が、美しい夫人であることを、示してゐるやうだ。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
窓硝子(ガラス)が木葉(こっぱ)微塵となり、どこか、蒲団(マット)のしたからキナ臭い匂いが立ちのぼってきます。
一週一夜物語 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
そして枕や蒲団(マトレス)なぞの香気が抜ける時は、奴隷に命じて詰め替えさせていた、贅沢品の一種であったろうと史家は見ているのであります。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
それ故私は旅館の寝床の毛布を引捲(ひきまく)る時にはいつも嫌悪の情に身を顫(ふる)わす。ここで昨夜(ゆうべ)は誰れが何をした。どんな不潔な忌わしい奴がこの蒲団(マトラ)の上に寝たであろう。
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)