“引捲”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひきまく50.0%
ひんまく50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それ故私は旅館の寝床の毛布を引捲ひきまくる時にはいつも嫌悪の情に身をふるわす。ここで昨夜ゆうべは誰れが何をした。どんな不潔な忌わしい奴がこの蒲団マトラの上に寝たであろう。
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
秀吉は此の時、遙か後の山上に立ち、あれを見よ、あれを見よとばかりに指さし、しり引捲ひきまくり小躍りしたと云うから、相当に目覚しい攻撃振りだと思われる。もっとも臀をまくるのは秀吉の癖である。
小田原陣 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
どッと、みんなが躍り込むと、店へ下り口をふさいで、尻をくるりと引捲ひんまくって、真俯伏まうつぶせに、土間へ腹を押ッつけて長くなってのたくッていたのが野郎で、なぐって横へねたあわせの裾なんざ
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
くるりと尻を引捲ひんまくって、扇子せんすで叩いたものもある。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)