“扇子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せんす73.7%
おうぎ17.2%
あふぎ5.1%
おおぎ3.0%
キツパス1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あいちやんはたゞちにれが扇子せんすつて所爲せいだとことつていそいで其扇子そのせんすてました、あだかちゞむのをまつたおそれるものゝごとく。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
清葉は前刻さっきから見詰めた扇子おうぎで、お孝の魂が二階から抜けて落ちたように、気を取られて、驚いて、抱取る思いがしたのである。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
道中だうちうつかひふるしの蟹目かにめのゆるんだ扇子あふぎでは峠下たふげした木戸きどしやがんで、秋田口あきたぐち観光客くわんくわうきやくを——らはい、と口上こうじやうひさうで、照覧せうらんあれはことをかしい。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……たきつけを入れて、炭をいで、土瓶どびんを掛けて、茶盆を並べて、それから、扇子おおぎではたはたと焜炉の火口ひぐちあおぎはじめた。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
椰子でつくつた扇子キツパスでゆるく蚊を追ひながら、さつきから暗いヴェランダで何か考へごとをしてゐる樣子だつたけれど、球江が鏡の前に坐ると、やつと澄子は部屋のなかへ這入つて來て
ボルネオ ダイヤ (旧字旧仮名) / 林芙美子(著)