“恰”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あたか73.2%
あだか9.2%
まる7.1%
あた4.0%
ちょう1.7%
ちやう1.0%
あたかも0.6%
あだ0.4%
0.4%
さなが0.4%
たの0.4%
ちょうど0.4%
ちゃう0.2%
とん0.2%
ちやうど0.2%
ちよう0.2%
なか0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あたかもそれが永久に負わされた悩みでもあるかのように転々反側するけれど、ものには限度のあるもので、その後には必ず喜びが来る。
波の如く去来す (新字新仮名) / 小川未明(著)
あいちやんはたゞちにれが扇子せんすつて所爲せいだとことつていそいで其扇子そのせんすてました、あだかちゞむのをまつたおそれるものゝごとく。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
幾ら人數にんずが少ないとツて、書生もゐる下婢げぢよもゐる、それで滅多めつたと笑聲さへ聞えぬといふのだから、まるで冬のぱらのやうな光景だ。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
私は彼の右手が高く、ゆるやかな動きをみせて、あたかも舞台の上に立つ名優の所作のごとく、同じ位置を幾度いくたびとなく旋廻するのを見た。
早稲田大学 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
その種名スペシフィック・ネームのカムパヌラータは「鐘形ノ」という意味でそれはその桜の花弁が正開せず常に半開きでそれがちょうつりがねの形をしているからである。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
「いや、確かに拝見しましたが、あれを叩くのは何だか気がとがめましてね、ちやうどお寺にでもまゐつたやうな変な音がするもんですから。」
かういふ事実があつて、無意識ながら意識を起して来て、其規則を宛てはめて来るから、あたかも、音韻変化と言ふ考へに這入つて来るのである。
あいちやんは別段べつだんれをりたくはなかつてのですが、ドードてうあだかもだれかゞなにははすだらうとおもつてよどみましたが、ほかだれなんともはうとするものがなかつたので。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
御子様がないのですから、奥様もも懐しそうに抱〆だきしめて、白い頬をその柔い毛に摺付すりつけて、美しい夢でも眼の前を通るような溶々とけどけとした目付をなさいました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
山にあふるゝ善男善女は、唯もう『あれよ/\』と言ふばかり、今は尊い修驗者に對する讃仰さんがうの夢も醒めて、さながのあたりに地獄變相圖を見るの心地。
庸三は灰色の行く手を感じながらも、朗らかに話している葉子の前にいるということだけでも、瞬間心はたのしかった。すがすがしい海風のような感じであった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ちょうど自分は何者かに追われておる様ないやな気持がするので、なるべく歩調を早めて歩き出した。
白い蝶 (新字新仮名) / 岡田三郎助(著)
地震ぢしんがあってからちゃう最早もう十一年目ねんめ……わすれもしませぬ……一ねん三百六十にちうちで、はい、其日そのひ乳離ちばなれをなされました。
然るに学者は世界の知識を独り背負しよつて立つたやうな気になつて、とんと巡査が人民に説諭すると同じ口吻くちぶりを以て無学者に臨んでゐる。此位暴慢無礼な沙汰はない。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
見るに寶永二年三月十五日の夜こく出生しゆつしやうしるありければ指折算ゆびをりかぞへ見るに當年ちやうど十一歳なりわすれもせぬ三月十五日の夜なるがお三婆はしきり落涙らくるゐしテモ御身は仕合しあはせ物なりとて寶澤がかほ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
自分はの位其處らをかけずり廻ツたか、またの道をうして來たか知らぬが、兎に角もう螢籠ほたるかごには、螢が、ちようど寶玉のやうに鮮麗な光を放ツてゐる。
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
前様めえさまの顔を一日見ねえば、なから百日も見ねえようでがんすよ……見ねえようでがんすよはおかしいナ……それに親父おやじが婿を取れと云いやんすから、厭でなりやしねえよ、明日あす日待ひまちだから
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)