“恰幅”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かっぷく80.7%
かつぷく19.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、揉手もみでをするのです。筋肉質の確りした中老人で、柔弱だったという伜の菊次郎に此べて、これはまた、武家あがりと言った恰幅かっぷくです。
ちらりとFさんの恰幅かっぷくのいい肩が見え、その陰からまたしてもひらめくやうに、姉さまの白い顔がこちらを振り返つたやうな気がしました。
死児変相 (新字旧仮名) / 神西清(著)
「でせう。血だらけの羽織と匕首、それに重い渾天儀こんてんぎの臺を持上げて、そんなものを隱すのは、恰幅かつぷくの良い狩屋三郎でも無きや——」
が、如何なる豪傑にもせよ、子爵後藤新平なるものは恰幅かつぷくの好い、鼻眼鏡をかけた、時々哄然と笑ひ声を発する、——兎に角或制限の中にちやんとをさまつてゐる人物である。
僻見 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)