“恰好”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かっこう84.0%
かつかう9.6%
がっこう2.0%
かつこう1.8%
がつかう0.5%
かっこ0.4%
かくかう0.4%
かこう0.2%
かたち0.2%
かつかふ0.2%
かッこう0.2%
がつこう0.2%
ちょうど0.2%
ポーズ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
妾は案内された部屋に、レジオン・ド・ヌウルの勲一等の赤い略章をつけた肥大した肉体の恰好の好い一人の老人を見出すのでした。
バルザックの寝巻姿 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
天城も下田街道からでは恰好な場所がない。舊噴火口のあとだといふ八丁池に登る途中からは隨所に素晴しい富士を見る事が出來た。
先生が奥さんといっしょにける場合には、五十恰好切下の女の人がどこからか来て、留守番をするのが例になっていた。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
なんかとしてゐると三人の位置玉にへられたり、三つんだ碗の姿白い玉の恰好に見※たりする。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
亭主は五十恰好で、鼈甲つた馬鹿きな眼鏡けて、新聞みながら、だらけの唐金火鉢してゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「そんなら一ぺんあんたのはだかの恰好見せて欲しいなあ」いいますと、「そら、見せたげてもかめへんわ」と、すぐに承知しなさいました。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
なされ上野成共隅田成ともお心任せの方へ至り終日お遊び爲されませ和吉も今年は十四なれば貴君のおには恰好しき餘り忠義の忠兵衞己れ一饒舌廻し其座を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いつも夢見ているあどけない恰好をしていて、そしてかすかに皮肉な苦味を帯びている。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
恰好のいい針魚のような肢体——それを包んだ黒ずくめの中から、白い顔と半襟の水色とがクッキリと浮出ていて、それが、四十女の情熱と反面の冷たい理智を感じさせる。
後光殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
Aの字形に間口を引込めて建てた大きな家をヌエは指さして、あの妙な恰好の家の理由を知つて居るかと問ふた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
筋骨暴馬から利足を取ッているあんばい、どうしても時世に恰好の人物、自然淘汰の網の目をば第一に脱けて生き残る逸物と見えた。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
島々と云ふ町の宿屋へ着いたのは、午過ぎ——もう夕方に近い頃であつた。宿屋のには、三十恰好の浴衣の男が、青竹の笛を鳴らしてゐた。
槍ヶ岳紀行 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「お前さんが嘘と思うなら、好く見ているが好い、明日からその家では、病人ができ、借金ができて、恰好お前さんの主人の家のようになるさ」
貧乏神物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ガラッ八の八五郎は、鼻の穴で天文を観るような恰好を取りました。