“かっこう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
恰好86.5%
郭公4.7%
格好4.3%
渇仰0.6%
形恰0.4%
形状0.4%
格恰0.4%
格構0.4%
形好0.2%
形容0.2%
(他:8)1.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
余は今でも白い金盥かなだらいの底に吐き出された血の色と恰好かっこうとを、ありありとわが眼の前に思い浮べる事ができる。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかし、いったいこの「じゅ」という字は、気のせいか、眼でみるとその恰好かっこうからしてあまり感じのよくない字です。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
うぐいすもいれば駒鳥もいる、雲雀ひばりもいれば郭公かっこうもいてそれはそれは可愛い声でさえずっているのです。
お蝶夫人 (新字新仮名) / 三浦環(著)
四月も終りに近く野は霞み郭公かっこうのしきりに鳴くころに、彼は雄勝の詞友たちと別れて、川岸伝いに北をさして旅立った。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「間違ったのだよ。何時でも風呂から先に出て来るのはお房の方だし、身体の格好かっこうがよく似ている上に、お仕着せまで同じだ」
格好かっこうから歩きつきまで確かにたけしだと思ったが、彼は足早に過ぎ去って木陰こかげに隠れてしまった。
二老人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
純一も東京に出て、近く寄って預言者を見てから、渇仰かっこうの熱が余程冷却しているのである。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
なさけの光でも、愛の光でも、もしくは渇仰かっこうの光でも同じ事である。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
午後ももう日暮方になって京子は重そうな銀杏返しに縞の着物を着て手が目立って大きく見える様な形恰かっこうをして来た。
千世子(二) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
手を引っぱられて金網の外からのぞくと、拇指位のやせたのが三つ四つ見えるだけで、掌の長さ位になっていい形恰かっこうにくくれて肥ったのが見つからない。
後庭 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
そうしてその形状かっこうがいかにも不作法ぶさほうにでき上って、あたかも水の通り道の邪魔になるように寝たり、突っ立ったりしている。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もっとも南京豆の中でも粒のく大きいものやまる形状かっこうのものは脂肪あぶらが多くって油を取るにはようございますけれども食用に適しません。少し細長い中位な粒ので大層美味しい種類があります。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
村の入口から出口までダラダラの坂で、道に沿うて川があるため、橋の工合、石垣のさま、その上の家の格恰かっこう、樋、水車なんどが面白い。
白峰の麓 (新字新仮名) / 大下藤次郎(著)
彼はいかにも怠け者が重大事件にぶつかったとでもいうような格恰かっこうで巻煙草をふかしていた。
その勿体ぶったマッシバン博士の格構かっこうと、きびきびしたルパンの言葉使いとはまるっきり吊り合わなくて実におかしかった。ボートルレは思わず吹き出してしまった。
懐かしい人達が未だ達者でいた頃の事が、それからそれ止度とめどなく想出されて、祖母が縁先に円くなって日向ぼッこをしている格構かっこう、父が眼も鼻も一つにしておおきくしゃみようとする面相かおつき、母が襷掛たすきがけで張物をしている姿などが、顕然まざまざと目の前に浮ぶ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
その船の形好かっこうは夜でよく分らなかったけれども、幅の広い底の平たい、どうしても海に浮ぶものとは思えないおだやかな形をそなえていました。屋根は確かあったように覚えます。その軒から画の具で染めた提灯ちょうちんがいくつもぶら下がっていました。薄い光の奥には無論人がすわっているようでした。三味線の音も聞こえました。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そいで一寸も変な形容かっこうじゃないんです。
千世子(三) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
顎骨の角張って突出しておる所はいかにも精力絶倫らしい相貌で、手はすこぶる大きく、両脚は曲り歩くたびにを曲げて妙に腰を振る形態かっこうはちょうどゴリラの歩き振りを思わせる。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
小田原おだわらから伊東いとうに至る十一の停車場の出口には、鋭い眼をした私服のお巡りさんたちが、眼でない、鼻をヒクヒクさせながら、まるで旅客りょきゃくのような恪好かっこうで、こっそり立ちはじめた。
香水紳士 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
その洋燈は細長い竹の台の上に油壺あぶらつぼめ込むようにこしらえたもので、つづみの胴の恰形かっこうに似た平たい底が畳へ据わるように出来ていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おとといもとも平田から聞いていた年ごろで、顔つき格向かっこうもかねて想像していた通りで、二人ともいかにも可愛らしい。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
支那曲芸に出てくるような格巧かっこう
写真(北満の土産)その一 (新字新仮名) / 今野大力(著)
屹度神仙が作ったんだろう、と云ってた方が勿体が付いて、却って有難くもなるのだから、尤も一説による時は、葛洪かっこうという人の著書だそうだ。
鵞湖仙人 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そして一とすじの尾を曳いた黒雲が、中天に昇ってゆくのを仰いでいると、一せん赫光かっこうまなこを射、とたんに、無数の妖星と砕け散って、世間の空へ八方飛んでわかれてゆくのが見えた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「その頃、山の麓に行っていると、夜は寝られないほど、騒がしいですよ。いろんな鳥が一時に鳴き出すもので……それに私の国では昼間鳴く鳥は少ないのですから。時鳥ほととぎすだとか、閑古鳥かっこうだとか、それからまだいろいろあります。」
北国の人 (新字新仮名) / 水野葉舟(著)