“具”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そな54.2%
17.0%
つぶ7.1%
つぶさ6.7%
もの5.8%
そなわ5.4%
そなは1.0%
ソナ0.6%
そなう0.3%
そなふ0.3%
そなへ0.3%
0.3%
つばらか0.3%
とも0.3%
ツバ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なんとなれば娼婦型の女人はただに交合を恐れざるのみならず、又実に恬然てんぜんとして個人的威厳を顧みざる天才をそなへざるべからざればなり。
娼婦美と冒険 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そこで金太郎は體をかたく小さくして、道の白いながれの上へ、飛びこむやうな合に轉んでいつた。自轉車は三四米先へげ出された。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
だから彼を批評するにはつぶさにその道程に沿って歩いて見ることによって、彼が今や赴こうとしている方向を割り出さなければならぬ。
思想としての文学 (新字新仮名) / 戸坂潤(著)
話がすこし脱線したが、其日庵主は玄洋社を離脱してから海外貿易に着眼し、上海シャンハイ香港ホンコンあたりを馳けまわってつぶさに辛酸をめた。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ここにそのみめ須世理毘賣すせりびめは、はふりもの一〇を持ちて哭きつつ來まし、その父の大神は、すでにせぬと思ほして、その野に出でたたしき。
したがって自分がこういう気分になりたいと思った時に、その気分を起してくれる非我の世界の形相がそなわっておらん事があります。
創作家の態度 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
又産児をまぬかるべき科学的方法並びに道徳的論もほぼ完全にそなはりたれば当代の女人のかならずしも交合かうがふを恐れざるは事実なるべし。
娼婦美と冒険 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
オヨソ天下ノ事、我ガ心ニソナフル性命ノ理ニ明カナラズシテ、断制、裁割サイクワツスベキイハレ無シ。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
駅吏午飯ヲ進ム。黒田、熊城ノ二員書ヲ留メテ曰ク前駅皆小ニシテ数十名ノ供給ニそなうルコト能ハズ。故ニここニ飯ヲ命ズト。二里余ニシテ本宮駅ニ憩フ。高崎ノ藩士陸続トシテ北ヨリ帰ルニ逢フ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
茶山春川釣魚の図に題する詩を天下の韻士にもとむ。即此川なり。屋傍に池あり。荷花盛に開く。渠を隔て塾あり。槐寮といふ。学生十数人案に対して書を読む。茶山堂上酒肴をそなふ
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
須佐之男命が古代の民族の為めに、まきの木を以て奥津おきつ棄戸すたへ将臥もちふさむそなへ——即ち棺箱を造ることをおしえたとあるが、それが事実であるか否かは容易に判然せぬ。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
そこへ召された安倍資成あべのすけなりは、二十騎ばかりをれて、仙洞御所せんとうごしょへ、急使として駈けて行った。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伊邪奈美命答へもうしたまはく悔しきかも速く来まさずして、吾は黄泉戸喫よもつのへぐいしぬ。然れども愛しき我那勢命なせのみこと入り来ますことのかしこければ、まづつばらか黄泉神よもつのかみあげつらはん、我をなたまひそ。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
内藤岡ノ二士及ビ泥江春濤円桓同ジク舟ニ入ル。きょうともそなわル。潮ハまさニ落チテ舟ノ行クコトはなはすみやカニ橋ヲ過グルコト七タビ始メテ市廛してんヲ離ル。日すでくらシ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
然れども、愛しき我が那邇勢ナニセの命、入り来ませる事、かしこければ、還りなんを、先ずツバらかに黄泉神ヨモツカミ相論アゲツラわん、我をな見給いそ。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)