“恬然”の読み方と例文
読み方割合
てんぜん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なんとなれば娼婦型の女人はただに交合を恐れざるのみならず、又実に恬然てんぜんとして個人的威厳を顧みざる天才をそなへざるべからざればなり。
娼婦美と冒険 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そう言われると、女を負うて渡した禅僧が恬然てんぜんとして答えるよう、おれはもう女を卸してしまったが、貴様はまだ女を背負っている!
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
あらゆる放埒ほうらつ、物盗り、辻斬りまでやって、なお恬然てんぜんたる悪行の甘さを夢みるお十夜だが、母を思う時、かれはもろい人間だった。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)