“てんぜん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
恬然88.2%
典膳2.6%
囅然2.6%
填然1.3%
店前1.3%
貂蝉1.3%
輾然1.3%
靦然1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そう言われると、女を負うて渡した禅僧が恬然てんぜんとして答えるよう、おれはもう女を卸してしまったが、貴様はまだ女を背負っている!
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
もし典膳てんぜんから空想を除いたら彼は青年ではあり得なくなる。
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
囅然てんぜんとして笑ひつゝ、其弓矢もて、身をかはす
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
しかれども第十九世紀の大勢は後へを圧せり。疲れたりといへども中止すべからざるなり。填然てんぜんとして之につゞみうち兵刃既に交はるに及んでは勢勝敗を決せざるべからず。
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
西洋人の馬車が店前てんぜんとどまって盛装した婦人が自分でハムの片腿かたももを下げている事も沢山ある。日本の貴夫人が食品屋へ入ったのは見た事がない。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
そうして董卓とうたく貂蝉てんぜんのために確実に殺された。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
さりとて未だ遂げざる大望の計画を人に向って話さば人は呆然ぼうぜんとしてその大なるに驚くにあらざれば輾然てんぜんとしてその狂に近きを笑わん。鴻鵠こうこくの志は燕雀えんじゃくの知る所にあらず。
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
おもうに彼の君はずかしめられ臣死するの一時に際し、靦然てんぜんとして幕府に恭順を唱え、志士をくびきりて幕軍の轅門えんもんに致したる、俗論党の故郷として、充分の価値ありというべし。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)