“呆然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぼうぜん78.4%
ぼんやり14.4%
ばうぜん5.1%
けむり0.4%
あぜん0.4%
あっけ0.4%
つくねん0.4%
ぽかん0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
贈り物の主は呆然ぼうぜん自失せざるを得なかった。迷信はおおむねかかる程度にまで、有識者、無識者を通じて露人の頭へ染み込んでおる。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
あゝ、おさだ迄かと思うとペタ/\と臀餅しりもちいて、ただ夢のような心持で、呆然ぼんやりとして四辺を見まわし、やがて気が付いたと見えて
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
つぎも、してるべしで、珍什ちんじふ奇器ききほとん人界じんかいのものにあらず、一同いちどう呆然ばうぜんとして、くちくものあることなし。
画の裡 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
秋田とサガレンと、鹿児島と千葉の呆然けむりのような女達が、カフェーのテーブルを囲んで遠い古里に手紙を書いている。
放浪記(初出) (新字新仮名) / 林芙美子(著)
読者は、次のくだりを読んで、僕の呆然あぜんたりし顔を想像していただきたい。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そうして呆然あっけに取られている我々に、あの三尊を初めて見た時の感銘を語って聞かせた。特に先生が力説したのはあの像の肌の滑らかさであったように思う。
岡倉先生の思い出 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
呆然つくねんとした藤吉の耳へ、勘次の声が戸外から
銀杏いちょうの葉の真黄色まっきいろなのが、ひらひらと散って来る、お嬢さんの肌についた、ゆうぜんさながらの風情も可懐なつかしい、として、文金だの、平打だの、見惚みとれたように呆然ぽかんとして
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)