“呆然自失”の読み方と例文
読み方割合
ぼうぜんじしつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
正義人道を口にするものが、四五人もいて頑張れば、群衆の冷静さを、幾分とりもどせたろうと思われたが、誰もが呆然自失ぼうぜんじしつしていて、適当な処置をあやまったのだった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
たしかに、何者かを追蒐おっかけて出たのだが、その帰り来った時には、いつも呆然自失ぼうぜんじしつです。何物をも認めることなくして出かけ、何物をも得るところなくして帰るのです。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
友人は、呆然自失ぼうぜんじしつしたという。ややあって、くやし涙が沸いて出た。さもありなん、と私は、やはり淋しく首肯している。そうなってしまったら、ほんとうに、どうしようも、ないではないか。