“ぼうぜんじしつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
茫然自失68.8%
呆然自失31.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なにかさけぼうとしたくちびる上下じょうげにゆがんだが、いう言葉さえ知らぬように、はなあなをひろげたまま、アングリと口をあいて茫然自失ぼうぜんじしつのていたらく……。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
音に聞く都の島原を、名にゆかしき朱雀野すざくののほとりに訪ねてみても、大抵の人は茫然自失ぼうぜんじしつする。家並やなみは古くて、粗末で、そうして道筋は狭くて汚ない。
友人は、呆然自失ぼうぜんじしつしたという。ややあって、くやし涙が沸いて出た。さもありなん、と私は、やはり淋しく首肯している。そうなってしまったら、ほんとうに、どうしようも、ないではないか。
◎真を模せんとして模し得ざりしはいにしえの日本画なり。後世の日本画家、徒に古画を模してかへつて真を模せず。たまたま洋画の如く真を模したる者に逢へば則ち呆然自失ぼうぜんじしつ、その画なりや否やを疑ふ。
病牀譫語 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)