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茫然自失
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ぼうぜんじしつ
ふりがな文庫
“
茫然自失
(
ぼうぜんじしつ
)” の例文
ある者は
茫然自失
(
ぼうぜんじしつ
)
し、ある者は鍵束を床へ投げつけ、あるものは夢かと驚喜し、楽隊はためらい、万年大学生は「新生活の首途」を祝う。
チェーホフ序説:――一つの反措定として――
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
いかに疲労その極に達したとはいえ、再びイエス様に呼び起こされて、彼らはあまりのふがいなさに
茫然自失
(
ぼうぜんじしつ
)
してお答えする言も知らなかった。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
なにか
叫
(
さけ
)
ぼうとした
唇
(
くちびる
)
が
上下
(
じょうげ
)
にゆがんだが、いう言葉さえ知らぬように、
鼻
(
はな
)
の
穴
(
あな
)
をひろげたまま、アングリと口をあいて
茫然自失
(
ぼうぜんじしつ
)
のていたらく……。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
音に聞く都の島原を、名にゆかしき
朱雀野
(
すざくの
)
のほとりに訪ねてみても、大抵の人は
茫然自失
(
ぼうぜんじしつ
)
する。
家並
(
やなみ
)
は古くて、粗末で、そうして道筋は狭くて汚ない。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
だが、恐怖と困惑とに、
茫然自失
(
ぼうぜんじしつ
)
してしまった甚太郎に、横山五助はいつまでもかかり合ってはいなかった。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
▼ もっと見る
彼が病気のくせに『きょう家を飛び出して行った』と聞いた時、二人は驚きのあまり
茫然自失
(
ぼうぜんじしつ
)
した。話の模様でみると、必ず熱に浮かされてるに決まっている。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
わたしはちらりと
彼
(
かれ
)
の顔を見たばかりで、相変らず
茫然自失
(
ぼうぜんじしつ
)
のていで突っ立っていたが、その間に令嬢はまた椅子の上に飛び乗ると、またもや帽子を揺すぶり始めた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
人々は余りの意外な出来事に、空を見上げたまま、
茫然自失
(
ぼうぜんじしつ
)
の
体
(
てい
)
であった。
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
『
嗟呼
(
あゝ
)
。』と
叫
(
さけ
)
んだ
儘
(
まゝ
)
、
私
(
わたくし
)
も
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
も
其他
(
そのた
)
の
水兵等
(
すいへいら
)
も
茫然自失
(
ぼうぜんじしつ
)
した。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
彼女はまったく
茫然自失
(
ぼうぜんじしつ
)
のありさまで、
豪奢
(
ごうしゃ
)
な部屋を通り、着飾った人々のあいだをぶらぶら歩いてゆき、とうとう奏楽席の階段に腰かけて、しばらくあたりを見まわしていたが、眼はうつろで
傷心
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
「いいや、
茫然自失
(
ぼうぜんじしつ
)
だ」
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
茫
漢検1級
部首:⾋
9画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
自
常用漢字
小2
部首:⾃
6画
失
常用漢字
小4
部首:⼤
5画
“茫然”で始まる語句
茫然
茫然飛入老婆房