“茫然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぼうぜん65.7%
ぼんやり25.2%
ばうぜん7.2%
ぼん0.7%
ぼんや0.5%
ぼう0.2%
ぼっ0.2%
ぼっと0.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その考えにふければふけるほど、しぜん仕事が留守になってしまって、あけた障子のそとのあかりを茫然ぼうぜんと上目をしながらながめるのであった。
香爐を盗む (新字新仮名) / 室生犀星(著)
次の日奥の一室ひとまにて幸衛門腕こまぬき、茫然ぼうぜんと考えているところへお絹在所より帰り、ただいまと店にはいればお常はまじめな顔で
置土産 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
今夜は弁天様から女福にょふくを授けられているそうだ、今の騒ぎで無銭たゞ遊びをした上、茫然ぼんやりけえろうとすると此様こんな上首尾
院長いんちょう茫然ぼんやりとブロンジンのドクトルをたが。『しかし公平こうへいかんがえなければなりません。』とうた。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
我家の庭に蝿を見るは毎年五月初旬なるを思ひ、茫然ばうぜんとこの蝿を見守みまもること多時、僕の病体、五月に至らば果して旧に復するや否や。
病中雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
さういふところよんどころなくすて置いていつか分る時もあらうと茫然ばうぜん迂遠うゑんな区域にとどおい
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
あゝかへつたとえますとて茫然ぼんとしてるに、持病ぢびやうといふのはれかと切込きりこまれて、まあ其樣そんところでござんせう
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あゝ最う歸つたと見えますとて茫然ぼんとして居るに、持病といふのは夫れかと切込まれて、まあ其樣な處でござんせう、お醫者樣でも草津の湯でもと薄淋しく笑つて居るに、御本尊を拜みたいな俳優やくしやで行つたら誰れの處だといへば
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「困った事だ」と呟いて野の上へ思わず突っ立ったが、しかし茫然ぼんやり立っていたところで別に妙案が浮かびそうもない、でまた、スタスタ歩き出した。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「それにしても茫然ぼんやりここにいては、いつまた危険に逢うかもしれぬ、ともかく鳳凰ほうおうの間へ帰ることにしよう。芳江殿どうじゃな歩けるかな?」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
聞えるたって、あの茫然ぼうとして居るやさしい人で、お酒が嫌いだというから、甘味でお茶でも飲んでゝ呉んなまし、生憎あいにくお客が立込んで花魁もおまはんに煙草一服吸い附けて飲ませる間もないのだから、腹ア立つか知りまへんが、是に懲りずに又来てくんなましよと云ったら
「そうかなあ、そうかなあ」吉次は茫然ぼっとして考えたが
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
例の花里花魁おいらんでございますが、この混雑ごったかえしている中に一層忙がしい、今日で三日三晩うッとりともしないので、只眠いねむいで茫然ぼっとして生体しょうたいがない。