茫然ぼんや)” の例文
「それにしても茫然ぼんやりここにいては、いつまた危険に逢うかもしれぬ、ともかく鳳凰ほうおうの間へ帰ることにしよう。芳江殿どうじゃな歩けるかな?」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「困った事だ」と呟いて野の上へ思わず突っ立ったが、しかし茫然ぼんやり立っていたところで別に妙案が浮かびそうもない、でまた、スタスタ歩き出した。鬱々とした森がある。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)