“ぼん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ボン
語句割合
51.1%
15.7%
9.6%
6.2%
3.9%
3.9%
2.8%
1.7%
茫然1.7%
冊子0.6%
凡情0.6%
0.6%
0.6%
0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女房にょうぼうは、にこにことして、なにかぼんにのせて、あちらへはこんでいました。こちらには、びっこのむすめが、さびしそうにしてっている。
赤いガラスの宮殿 (新字新仮名) / 小川未明(著)
夫程表にはい日があたつてゐる。手洗水てあらひみづそばに南天がある。是も普通よりはが高い。三ぼん寄つてひよろ/\してゐる。葉は便所の窓のうへにある。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
父にとっては、法律を知っている人間は世の中で一番偉い人間で、ほかのものはみんなぼんくらな一段下な人間のように見えたのである。
老爺 只今のおぼん様、ヘンリー四世とか云う王様から偉う、いかめしい身なりのお使者が見えましたで。
胚胎 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
青木さんは所在なさにぼんやりと何をか考へ入つてゐられた後のやうな沈んだ顔をして、横になつて煙草をんでゐられた。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
お俊はそう言って自分らしくもないと思ってあかくなったが、きよ子はべつに何も思っていないらしくぼんやりとしていたが、ふと、こんなことを言った。
童話 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
この調子で行くと御経おきょうの文句は、ぼん音とか漢音とか、なるべく解らぬようにそらんじた方がもっともらしく聞えていい。
智者大師説『金光明経文句』の釈捨身ぼんの虎子頭上七点あるを見て生まれてすでに七日なるを知る事『山海経』にづとあるが、予はかかる事『山海経』にあるをおぼえず。
恨まれるは覚悟の前、鬼だとも蛇だとも思ふがようござりますとて、撥を畳に少し延びあがりて表を見おろせば、何と姿が見えるかとなぶる、ああもう帰つたと見えますとて茫然ぼんとしてゐるに
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
素晴らしい人物で! あの人が実に面白い物語を聴かせてくれたものぢや! この小冊子ぼんの中にもそれが二つ載つてをる。
と、その凡情ぼんに溺るるような傾きさえあった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今年正月友人いうじんらと梅見にゆきしかへるさ青楼せいろうにのぼり、そのあかつき雨ふりいだししが、とみにやみけるゆゑ青楼をいでて日本堤にさしかゝりしに、つゝみの下に柳二三ぼんあり、この柳にかゝりたる雨
たかるだけでしもせず喰ひつきもしないやつはいゝけれど、尺とりだけには用心せねばならない、足のかゝとからぼんくぼまで計られると三日の中になねばならないからなと
筑波ねのほとり (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
つるりとでた手、ぼんくぼ
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
眠っていたぼんがにわかに啼き立ち、芒の間からパッとたち、ザワザワとその芒を分け、人声がすると思ったとたん、二つの人影が走り出て来た。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)