“茫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぼう74.0%
ばう8.9%
5.5%
ぼん4.8%
ぼっ2.7%
ぼうっ1.4%
すすき0.7%
ばつ0.7%
バウ0.7%
ボウ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女房も薫の来たことによって昔を思い出して泣いていた。中の君はましてとめどもなく流れる涙のためにぼうとなって横たわっていた。
源氏物語:50 早蕨 (新字新仮名) / 紫式部(著)
幸ひに航路は穏かで、心配した濃霧もかゝらずにばうと静かに海は暮れて行つたけれども、しかもさびしさは遂に遂にBを離れなかつた。
(新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
女中か、私はね、雪でひとりでに涙が出ると、っと何だか赤いじゃないか。引擦ひっこすってみるとお前、つい先へ提灯ちょうちんが一つ行くんだ。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
またたきを失っているぼんやりした時と、あるいは野うさぎのように物かげにかくれようとしている時の、そのかがやきを交叉していた。
こっちの部屋から流れこんで行く燈光ひかりで、その部屋はぼっと明るかったが、その底に濃紫こむらさき斑點しみかのように、お八重は突っ伏して泣いていた。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
心がとうからぼうっとしていた。で老人の出鱈目が、出鱈目でないように思われた。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼はしるしの松(漁舟が帰港するとき目印にするもの)のところまで来たとき、すすきの中をこちらへやってくる彼女をみつけた。
麦藁帽子 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
つて、間拍子まびやうしけた、看板かんばんをぶらりかさしたつてせた。が、地方ゐなかこととて、番號ばんがうもなくばつしろい。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
何時までも進まぬ。バウとした耳に、此世話ヨバナシフタタビまた、紛れ入つて来たのであつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
長星チョウセイアリ、赤クシテボウ。東西ヨリ飛ンデ、孔明ノ軍営ニ投ジ、三タビ投ジテフタタビカエル。ソノ流レ来ルトキハ光芒コウボウ大ニシテ、還ルトキハ小サク、ソノウチ一星ハツイチテ還ラズ。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)