“バウ”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:ばう
語句割合
16.7%
漠然16.7%
16.7%
舳手16.7%
船首16.7%
16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
落ちつくべき処に落ちついた、と見えます。こんな人ですから、博士の指導を、直観風にもとり容れるだけの用意は、出来て居るのです。教養ある武士出のおバウさん其儘でした。
芝居に出た名残星月夜 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
其は、当人の立派なからだ・顔・太い声が与つて力を添へて居ます。どうかすると、ひんなりした、貴族めいた物ごしのバウさんでないのに、失望する様な心持ちが、私自身にも出かけました。
芝居に出た名残星月夜 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
なにを考へてゐたかといふと、はなは漠然バウとしたことで、彼自身じしんにも具體的ぐたいてき説明せつめいすることは出來できない。難然けれども考へてゐることは眞面目まじめだ、すこ大袈裟おほげさツたら、彼の運命うんめい消長せうちやうくわんすることである。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
ぼくは二階の廊下ろうかを歩き、屋上の露台ろだいのほうへ登って行きました。眼の下には、するどバウをした滑席艇スライデングシェルがぎっしり横木につまっています。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
舳手バウの梶さんは、ぼくの次に、新しい選手ですし、それに、七番の商科の坂本さん、二番の専門部の虎さんと共に、クルウの政経科で固めた中心勢力とは、派が合わぬだけ、別に何んともいわず
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
海面にこだまして汽笛が物憂げに鳴り響き、今や雨のごとくに降りしきるテープとハンカチの波の向うに、この時突然太子とシャアとの姿がボート甲板デッキいささか船首バウ寄りのこっちに現れたのであった。
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
何時までも進まぬ。バウとした耳に、此世話ヨバナシフタタビまた、紛れ入つて来たのであつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)