“ふっ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
35.7%
21.4%
14.3%
14.3%
7.1%
7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その蚊帳のような、海のような、青いものが、さらさらと肩にかかる、と思うと、いつか我身はまた框に掛けつつ、女の顔がふっと浮いて、空からじっと覗いたのである。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
成程れはい話で、此方こっちはモウ実に金にこがれて居るその最中に、二人の子供の洋行費が天からふって来たようなもので、即刻そっこく応と返辞へんじをしなければならぬ処だが、私は考えました。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
美妙斎の、特長のある長いあごも、西欧の詩人や学者のように、耳のあたりで、ふっさりと髪を縮らせた魅惑も、逢わない時はことさらに強く思いうかべられて、こういう時には、ああいう眼をする。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
元町の家主は大騒ぎで心配をして居るという兼松の注進で、さては無理に喧嘩をふっかけて弟子師匠の縁を切り、書付の日附を先月にしたのは、恩ある己達を此の引合に出すまいとの心配であろうが
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
モウ一盃、これでお仕舞しまいりきんでも、徳利とくりふって見て音がすれば我慢が出来ない。とう/\三合さんごうの酒を皆のん仕舞しまって、又翌日は五合飲む。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
宝石商の電灯は今硝子越ガラスごし彼女かのおんなの鼻と、ふっくらした頬の一部分と額とを照らして、はすかけに立っている敬太郎の眼に、光と陰とから成る一種妙な輪廓りんかくを与えた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)