“ふり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フリ
語句割合
54.9%
12.6%
11.2%
5.1%
3.7%
態度1.9%
1.4%
不利0.9%
容子0.9%
降雨0.9%
0.5%
冷遇0.5%
一見0.5%
0.5%
0.5%
姿態0.5%
0.5%
0.5%
様子0.5%
眞擬0.5%
臨時0.5%
0.5%
0.5%
風流0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そで両方りやうはうからふりつて、ちゝのあたりで、上下うへした両手りやうてかさねたのが、ふつくりして、なかなにはいつてさうで、……けてつて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
およそ雪九月末よりふりはじめて雪中に春をむかへ、正二の月は雪なほふかし。三四の月にいたりて次第にとけ、五月にいたりて雪全くきえ夏道なつみちとなる。
「朝鮮国より、玉六十八枚、金銀装横刀一ふり、鏡一面、倭文やまとおり二端、白眼鴾毛ぼうもう馬一匹、白鵠しろくぐい二翼、造顔師一人、御贄おんにえ五十かき、を献ず」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
仙ちゃんは試験の時勉強しないで及第する術を伝授してくれた。ボールを拾いに行くふりをして隣屋敷の金柑を盗む事も覚え、算術の可厭な時頭痛がする事も習った。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
素知らぬふりをしてるのは、干からびた鹽鱒しほびきの頭を引擦つて行く地種の痩犬、百年も千年も眠つてゐた樣な張合のない顏をして、日向ひなたで欠伸をしてゐる眞黒な猫
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
信吾は、成べく平静な態度ふりをして、その足で直ぐ加藤医院を訪ね、学校を訪ねた。彼は夕方までに帰つて、吉野や妹共と一緒に踊見物に出る約束を忘れてはゐなかつた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
お島にささえられないほどの力を出して、隠居が剃刀かみそりふりまわして、二人のなかへ割って入ったとき、おゆうは寝衣ねまきのまま、跣足はだしで縁から外へ飛出していった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
鮑叔はうしゆくわれもつたんさず、まづしきをればなりわれかつ鮑叔はうしゆくめにことはかり、しかうしてさら窮困きうこんす。鮑叔はうしゆくわれもつさず、とき不利ふりるをればなり
いかにも腑に落ちないといつた容子ふりをして、さう答へた。
「どうでえ、たいした降雨ふりだろう。」
故意わざと重四郎は氣の付ぬふりにて夫は願つても無い僥倖さいはひさういふ口なら金の百兩ぐらゐどうともして才覺さいかく致しますなんと御世話を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
耳にも掛ず彼の町人は聞えぬふりしていそぎ行ゆえ友次郎は心ならねば草鞋わらぢ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
冷遇ふりながら産を破らせ家をも失わしめたかと思うと、吉里は空恐ろしくなッて、全身みうちの血が冷え渡ッたようで、しかも動悸どうきのみ高くしている。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
冷遇ふッて冷遇て冷遇ふり抜いている客がすぐ前のうちあがッても、他の花魁に見立て替えをされても、冷遇ふッていれば結局けッく喜ぶべきであるのに、外聞の意地ばかりでなく、真心しんしん修羅しゅらもやすのは遊女の常情つねである。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
そのなかで料亭ちゃやの番頭が、大尽遊びをきめ込んでいる一見ふりのお客からなんべんもなんべんもちょいと百両立て替えてくれとアッサリ頼まれるところがある。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
全市ぜんしとみへても、我家わがや危害きがいくはへたうない。ぢゃによって、堪忍かんにんしてふりをしてゐやれ。
たけなるかみをうしろにむすびて、ふりたるきぬになえたるおびやつれたりとも美貌びばうとはにもゆるすべし、あはれ果敢はかなき塵塚ちりづかなか運命うんめいてりとも、きたなよごれはかうむらじとおもへる
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
千里万里の沖から吹いて来て、この、扮装なりも違へば姿態ふりも違ふ三人を、皆一様に吹きつける海の風には、色もなければ、心もない。風は風で、勝手に吹く。人間は人間で、勝手なことを考へる。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
と鋭く叫び、小親片膝立てて身構えながら、落ちたる煙管きせる羅宇らお長きを、力めてふりかざせし、吸残りけむ煙草たばこの煙、小さく渦巻きて消えせたり。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
母「はい、お前方もふりい馴染でがんしたけんども、今度が別れになります、はい有難うござえます、多助や誰かわけもんが大勢来たよ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
船中の外人は一度び船へ這入れば誰も日本語を使わない、全く知らぬ様子ふりで人の話を聞いているのが例だから用心をするようとの訓戒も、初めて、なるほどと今になって矢代は気が附くのだった。
旅愁 (新字新仮名) / 横光利一(著)
いままで、ごろごろとのんきにころがつてつみのない世間話せけんばなしをしてゐたうりが、一せいにぴたりとそのはなしをやめて、いきころしました。みんな、そしてねむつた眞擬ふりをしてゐました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
材木屋からしぼ臨時ふりのものを、呉服屋や貴金属屋や三味線屋などの払いに当て、貯金もしているらしかったが、どこか感触に冷たいところがあり、銀子がお札を勘定しているところをのぞいたりすると
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
彼我に、こはいとあしきミルラのふりし魂なり、彼正しき愛を超えてその父を慕ひ 三七—三九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
眉山が予備門(今の高等学校)へ通う時分、その頃は制服がなかったので思い思いであったが、眉山は何時いつでも黄八丈のふりの長い羽織を着ていた。
春あり成長して浪花なにはにあり 梅は白し浪花橋らうくゎけう辺財主の家 春情まなび得たり浪花なには風流ふり
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)