“果敢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はか84.8%
はかな13.0%
かかん2.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
豆双葉金一君が、はるばる九州から上京した三日目に、旅疲れから哀れ果敢はかなく六つの命を終ったことは世人をおどろかし又様々の感想を抱かせた。
女性週評 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
寝息も聞えぬ小家こいえあまた、水に臨んだ岸にひょろひょろとした細くって低い柳があたかも墓へ手向けたもののように果敢はかなく植わっている。
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一夜ふらりと秋元を出たが、貞之進とてもそれで小歌に逢えると思ったのではなく、もしやの三字の外は言うにもいわれぬ果敢はかないことが頼みで
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
「黒死館殺人事件」の完成によって、それまで発表した幾つかの短篇は、いずれも、路傍の雑草のごとく、哀われ果敢はかないものになってしまった。
あはれ果敢はかなき塵塚ちりづかなか運命うんめいてりとも、きたなよごれはかうむらじとおもへる
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
はてのない蒼海あをうみなみに、あはれ果敢はかない、よわい、ちからのない、身體からだ單個ひとつもてあそばれて
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
いよ/\御神燈ごしんとうのつゞいた葭町よしちやう路地口ろぢぐちへ来た時、長吉ちやうきちはもうれ以上果敢はかないとか悲しいとか思ふ元気さへなくなつて
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
(間)俺は、あの歌を唄う彼女を見る毎に、この女は、どうしても果敢はかない運命の女だと思わずにはいられなかった。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかし、殿との御仲は、恐らくその御方のお思いなすったのよりも、ずっと果敢はかないものにちがいなかった。
ほととぎす (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
趣味の前には百万両だって煙草たばこの煙よりも果敢はかないものにしか思えぬことを会得しないからだ。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「続いて、果敢かかんなる日本潜水艦隊が肉薄にくはくして、数十本の魚雷を本艦の横腹よこばら目がけて猛然と発射するときは……」
からくも、瀬田の大橋口は、しゃ二無二突破して、光春以下、その大軍のうちへ、面もふらず駈け入るまでの果敢かかんは示したが——到底、それはみずから求めて苦戦の中へ自軍を投じたというしかない戦闘であった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
耳剽じひょう口衒こうげんし、いろいつわことばいんにし、聖賢にあらずして、しかも自立し、果敢かかん大言して、以て人に高ぶり、而して理の是非を顧みず、これを名を務むるのという。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
本日午後八時、全国に防空令がくだされました。その目的は、S国の強力なる空軍が、わが帝国領土内に侵入を開始したのに対し、適宜てきぎの防衛を行うためであります。皇軍の各部隊は既にそれぞれ勇猛果敢かかんなる行動を起しました。
空襲警報 (新字新仮名) / 海野十三(著)
きッかけは、かならず一人か二人かの果敢かかんによる。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)