“ぶり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ブリ
語句割合
46.9%
31.3%
10.4%
5.2%
2.1%
2.1%
生鰤1.0%
海鰱1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その時の彼の心では、久しぶりで父と一緒に成ったことをよろこばないではなかったが、矢張やはり郷里の山村の方に父を置いて考えたいと思った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
この魚は寄生動物が居るとてかつおぶりを人々は斥くるであろうし、この雞肉は硬い、この牛肉は硬いとて人々は喜ばぬであろう。
貧富幸不幸 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
かえって人通りのない処がよいというので、是から本郷山を抜け、塚前村へ掛りました時分は、もう日が暮れかゝり、又吹掛ふっかぶりに雨がざア/\と降って来ましたから
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
女性が、さも一個の処女らしく、髪のゆいぶり、着付の着方をしているのは、公衆の前に、大奥ぶりのすがたを現すのをはばかってであろう。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「俺もチイッと飲み足らんと思うておったれあ、今の喧嘩でポオッとして来た。二合ぶりぐらいあったぞ、箒売のアタマが……オット今の丼をば忘れて来た」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
事務に懸けては頗る活溌かっぱつで、他人の一日分沢山たっぷりの事を半日で済ましても平気孫左衛門、難渋そうな顔色かおつきもせぬが、大方は見せかけの勉強ぶり、小使給事などを叱散しかりちらして済まして置く。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
骰子さいの目に切った生鰤ぶり脂肉あぶらにく生姜しょうが醤油に漬けた奴を、山盛にした小丼を大切そうに片手に持って
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
鼻の先の天井裏からは荒縄で縛った生鰤ぶり半身かたみが、森閑とブラ下っているが、無い袖は振られぬ理窟で、五合桝を中に置いて涙ぐましく顔を見交しているところへ天なる哉
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
また或日海鰱ぶり一尾を携え来って、抽斎におくり、帰途に再びわんことを約して去った。五百はために酒饌しゅぜんを設けようとしてすこぶる苦心した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)