“遺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
のこ86.4%
わす7.0%
おく2.3%
おと1.7%
や0.9%
お0.6%
のこっ0.3%
つか0.3%
オト0.3%
ノコ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これは主の掟(おきて)の書、主が私共哀れな罪人にと遺(のこ)された聖約また遺言なのです。これによれば私共は永遠のよろこびへと導かれませう。
ジェイン・グレイ遺文 (新字旧仮名) / 神西清(著)
てつせんは、詩にも歌にも遺(わす)れられて、物のもやうにのみ用ゐらるゝものなるが、詩歌に採らるべきおもむき無きものにはあらじ。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
また或日海鰱(ぶり)一尾を携え来って、抽斎に遺(おく)り、帰途に再び訪(と)わんことを約して去った。五百はために酒饌(しゅぜん)を設けようとして頗(すこぶ)る苦心した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「凡(およ)そ外より人に入るものの人を汚し能はざる事を知らざる乎(か)。そは心に入らず、腹に入りて厠(かはや)に遺(おと)す。すなはち食(くら)ふ所のもの潔(きよま)れり。」
西方の人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「相變(あひかは)らず精(せい)が出(で)ますね」と云(い)つたなり、長火鉢(ながひばち)の前(まへ)へ胡坐(あぐら)をかいた。嫂(あによめ)は裁縫(しごと)を隅(すみ)の方(はう)へ押(お)し遺(や)つて置(お)いて、小六(ころく)の向(むかふ)へ來(き)て、一寸(ちよつと)鐵瓶(てつびん)を卸(おろ)して炭(すみ)を繼(つ)ぎ始(はじ)めた。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「さ、お前にも五十銭遺(お)いてくよ。もっとじつは遣(や)りてえんだが、今言うとおり商売がねえんだから、これで勘弁してくんな。」
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
こんなことが少年の時から私の脳中に遺(のこっ)て居るから、金銭の事に就(つい)ては何としても大胆な横着な挙動は出来られません。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
モンマルトルのピオレエの家へ洗濯料を払はずに来たことに気が附いて持つて行つたら、細君のブランシユが寝台(ねだい)の下から之(これ)が見附かつたと云つて晶子の遺(つか)つてた絵具箱を渡して呉(く)れた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛、与謝野晶子(著)
神の威力の永続を希うて、其呪力ある詞章を伝へ遺(オト)すまい、と努力して来たのであつた。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
五丈原以後——「孔明計(ハカリゴト)ヲ遺(ノコ)シテ魏延ヲ斬ラシム」の桟道(さんどう)焼打ちのことからなお続いて、魏帝曹叡(そうえい)の栄華期と乱行(らんぎょう)ぶりを描き、司馬父子の擡頭(たいとう)から、呉の推移、蜀破滅、そして遂に
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)