“わす”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ワス
語句割合
93.1%
5.9%
0.2%
0.2%
忘却0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わすれてゐることはないかとかんがへて見るが、萬事手はづとゝのつてゐる。そこで金太郎は、二時間といふわづかな時間をもてあましてしまふ。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
彼は死にいたるまで、その父母をわするるあたわざりしなり。否、死するに際して、第一彼れの念頭にのぼりし者は、その父母にてありしなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
元気げんきすずめは、そんなうた頓着とんちやくなしで、自分じぶんのお宿やども忘わすれたやうにゆきと一しよをどつてあるきます。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
一一八呆自あきれて足の踏所ふみどさへわすれたるやうなりしが、つらつらおもふに、妻は既にまかりて、今は狐狸の住みかはりて、かく野らなる宿となりたれば
人は往々にして、真の驚異や、真の感激や、真の美意識に遭遇ぶつかった時、時間とき空間ところとを忘却わすれるものであるが、この時の二人がまさにそれであった。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
今は我がために永くわするべからざる夕となりぬ。我羅馬日記ヂアリオ、ロマノひらけば、けふの二月三日の四字に重圈を施したるを見る。