“遺子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
わすれがたみ66.7%
いし13.3%
いじ6.7%
がたみ6.7%
こども6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そうそう、あの折、六条の頭殿こうのとの遺子わすれがたみという幼な子が、粟田口あわたぐちから押立おったての役人衆にかこまれて、伊豆の国とやらへ流されて行った——」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「富士の人穴ひとあなで、二千の軍兵ぐんぴょうをかかえながら、勝頼かつより遺子いし武田伊那丸たけだいなまるに追いまくられて、こんどはわしへとりいる気だな」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日吉の実父の弥右衛門やえもんとは、生前、仲のよかった間だし、その後、養父の筑阿弥ちくあみが、弥右衛門のあとに入夫して、哀れな遺子いじたちに、つらく振舞っていることはよく知っていたので
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
処女の一心に恋い慕っていた恋人大河俊太郎の忘れ遺子がたみであろうとは知らなかったであろう。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
先代信秀のぶひでから、平手中務なかつかさと共に、遺子こどもをたのむぞ、と死後を託された一人だったが、その信長の放縦ほうじゅうと、つかまえ所のない天性に、見限みきりをつけてしまったものとみえ、専ら、信長の弟信行と
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)