“いし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イシ
語句割合
51.2%
縊死13.5%
頤使5.4%
意志3.9%
美味3.9%
医師3.2%
宝石1.5%
1.5%
醫師1.2%
意旨1.0%
意思1.0%
石材0.7%
燧石0.7%
遺址0.7%
遺趾0.7%
0.5%
石碑0.5%
移徙0.5%
遺子0.5%
0.5%
異嗜0.5%
砿石0.5%
碁石0.5%
岩片0.2%
伊峙0.2%
為子0.2%
0.2%
以之0.2%
大理石0.2%
奇石0.2%
0.2%
0.2%
意趣0.2%
0.2%
0.2%
甃石0.2%
甘味0.2%
0.2%
碑石0.2%
0.2%
礎石0.2%
遺屍0.2%
金剛石0.2%
金石0.2%
鉱石0.2%
隕石0.2%
頣使0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二人ふたりは、そこでかなしいわかれをしました。びっこのむすめは、ひとり山道やまみちあるいてかえります途中とちゅうみちばたのいしうえこしをかけてやすみました。
日がさとちょう (新字新仮名) / 小川未明(著)
それと前後して、旅僧を惨殺した真犯人が縊死いししたので、勘右衛門は未決から釈放しゃくほうせられた。犯人は千代に失恋した村の若者であった。
風呂供養の話 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
その時鹿田は酒で顏を赤くしてだらしのない風で街道を漫歩し、美少年たる富之助を頤使いしするといふことを自慢にしてゐるらしく見えた……
少年の死 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
これは意志いしぢゃ、おもんじておくりゃらば、顏色がんしょくうるはしうし、そのむづかしいかほめておくりゃれ。祝宴最中いはひもなか不似合ふにあひぢゃわい。
それで起きて何かお美味いしいものでも喰べようと思って、蒲団から身体を起しかけた。ところがそれを見た貞雄は、おどろいてそれを留めた。
三人の双生児 (新字新仮名) / 海野十三(著)
先年蒲原郡の内或家あるいへにて井をほりしに、其夜医師いし来りて井を掘し㕝をきゝ、家にかへる時挑灯てうちんを井の中へ入れそのあかしにて井を見て立さりしに
ごく小さな金の盒であったが、これにも何か宝石いしちりばめてあると見えて、煌々きらきらと輝いていた。「右がマハラージャです」
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
いしでも入つたんかいな。一寸お待ち、矢鱈やたらこすつたりしたらあかへん。わて今取つて上げまほ。」
乳の匂ひ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
すなは此所こゝ市長しちやうならび町會議員ちやうくわいぎゐんみな生物知ゝまものしりの町人ちやうにんである、であるから醫師いしることは神官しんくわんごとく、ところ批評ひゝやうせずしてしんじてゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
飛行ひかうなさばいざしらず我が庭の飛石に草履ざうりかたが血にて明々あり/\殘るの所謂いはれなしこれしんうたがふべき一ツなり然すれば傳吉に意旨いしふくみし者猿島川へんにて男女のがいされたるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
〔譯〕論語ろんごかうず、是れ慈父じふの子を教ふる意思いし孟子まうしを講ず、是れ伯兄のをしふる意思いし大學だいがくを講ず、あみかうに在る如し。中庸ちゆうようを講ず、くもしうを出づる如し。
雨露しのぐ軒はまだしも、堂やしろの縁の下、石材いしや、材木と一所にのたっている宿なし同然な身の上だで、御挨拶も手続も何も出来ねえですで、そこでもって直訴だでね、生命がけでねげえてえだな。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と紋太郎はとうにさっきから眼覚めていたので、こう云いながら起き上がると布団の上へ胡坐あぐらを掻いた。それからカチカチと燧石いしを打ってぼっと行燈あんどんへ火を移した。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
荒廃の遺址いしを補修再興していつまでも保存しておきたいという願いを私はもっとものことと思うし、そういう人の信心も疑わないけれど、これは前にも述べたごとく至難の業である。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
従者ヲシテ古関ノ遺趾いしヲ問ハシムルニ、曰ク今ノ路ハ中古開ク所、曩者さきに能因のういんガ詠ゼシ所ノ白河ノ関ハ左方ノ山頂ニアリ。寺アリテ観音ヲ奉ズ。俗呼ンデ関ノ観音トイフハ即ソノ故趾ナリト。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
いしゃあ、こ、こけえ手をつけやしねえか」
暗がりの乙松 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
武蔵野むさしのなどを散歩していますと、よく路傍の石碑いしにきざんである、この仏のおすがたを見うけるのですが、とにかく、仏さまなら、もう阿弥陀如来にょらいだけでよい、大日如来だけでよい
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
又「引越公私のさわぎ」と云ふより観れば、成斎も亦此書を作る直前に移徙いししたかと推せられる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ながいあいだ、なにかにつけてじぶんの前途ぜんとをさまたげていた勝家かついえ自害じがいし、かれと策応さくおうしていた信長のぶなが遺子いし神戸信孝かんべのぶたか勇猛ゆうもう佐久間盛政さくまもりまさ毛受勝介めんじゅかつすけ、みな討死うちじにしてしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わが身の影をあゆまするいしのうへ
測量船 (新字旧仮名) / 三好達治(著)
これは後にお医者さんから聞いたことですが、妊娠すると屡々しばしば異嗜いしが起って、平素口にしないものを平気で喰うようになるそうですが、お蝶さんには、極度の異嗜が起ったのであります。
狂女と犬 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
丸鑿まるのみ金槌かなづち砿石いしを入れる革袋を持ち毎日暗いうちから山へ登って行く、それを送りだしてからお豊はしゅうとめのおつねと雇男の助三郎すけさぶろうを相手に、野良へ出て百姓の荒仕事にかかるのだ、田鋤たすきにも植付にも
藪落し (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
澄々ちょうちょうたる碁石いしの音を楽しんでいるようにも見える。こうして何か考え事があるとき、盤に向って碁をもてあそびながら、その間に策を講ずるのが、この大岡越前守忠相のやり方だった。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それから下へ降りて来て岩の上で例の岩片いしをたれている太い綱の端でしばっておいてふたたび塔上へ登る。
灯台鬼 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
けれどもすぐにわたし達は、塔の根元の一番はげしい波打ち際の一段高くそびえた岩の上で、おなじような岩片いしが飛沫にぬれていくつも転がっているのを、ほとんど手さぐりで発見した。
灯台鬼 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
見わたす太平洋の波はまぶしく光り、はるかな沖の方で空の光と一つに溶けて無限に遠い海のあなたを思はせた。石の巻の港、むかしの伊峙いし水門みなとである。
東北の家 (新字旧仮名) / 片山広子(著)
大洋おほうみは秋日まぶしくいにしへの伊峙いし水門みなとを船出づる今日も
東北の家 (新字旧仮名) / 片山広子(著)
その上、為世の女(贈従三位為子いし)は後醍醐天皇の側近に侍し、その腹に尊良たかなが親王・宗良むねなが親王のような英邁えいまいの皇子がお生れになっている。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
為世の女贈従三位為子いし腹の宗良親王は『新葉集』の撰者、吉野朝の柱石であられるが、それに親近して吉野朝の右大臣まで昇った花山院長親かざんいんながちかの『耕雲口伝こううんくでん』に次の一文がある
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
あの気違さんぢやどんなに寿いのちちぢめたか知れはしません。もうこれきり来なくなるやうに天尊様へお願ひ申しませう。はい、戴きませう。御酒ごしゆもおいしいものですね。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あひをしませうかね。何は無くともこんな好い心持の時にいただくとおいしいものですね。いいえ、さう続けてはとても……まあ、貴方あなた。おやおやもう七時廻つたんですよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
終りの知れぬ下手へた舞舞まいまい 以之いし
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
大理石いしの扉も埋れては
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
空に向かってささげているし、海棠かいどうの花は、悩める美女にたとえられている、なまめかしい色を、木蓮もくれんの、白い花の間にちりばめているし、花木の間には、こけのむした奇石いしが、無造作に置かれてあるし
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
言下ごんか勿焉こつえんと消えしやいばの光は、早くも宮が乱鬢らんびんかすめてあらはれぬ。啊呀あなやと貫一のさけぶ時、いしくも彼は跂起はねおきざまに突来るきつさきあやふはづして
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
きゝいしくも申されたりをさなくして兩親ふたおやはなるゝ者は格別かくべつに發明なりとか婆も今は浮世にのぞみのつなきれたれば只其日々々を送り暮せどはからずも孫君まごぎみと同年ときゝ思はず愚痴ぐち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たれも他に知る気遣いは有るまいと思いましたが、実はお千代に恋慕を云いかけたをはじしめられた恋の意趣いし、お千代の顔に疵を付け、縁付えんづきの出来ぬようにと存じまして、家の宝を自分で毀し
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
三郎さんは、台所へ駈けて行つて、牛乳壜ぎうにゆうびんに残つてゐる乳を、椀へうつして持つて来ました。小猫は、三郎さんの持ちそへてゐるお椀の乳を、大そうおいしさうにチウチウ音をたてゝ飲みました。
身代り (新字旧仮名) / 土田耕平(著)
いしが丸くなってしまって、それに火絮が湿ってるだから……やっとの事で点いただ、これでこの紙の附木に付けるだ、それ能く点くべい、えら硫黄臭いが、硫黄でこしれえた紙だと見える
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
はじまりはお屋敷そとを槍持六尺棒持を連れて見廻らんければなりません、槍持は仲間部屋ちゅうげんべやから出ます、棒持の方は足軽部屋からて、甃石いしの処をとん/\とん/\たゝいてるく
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
青菜を擦ってこしらえた食物を彼等は一等お甘味いしそうにして食べた。
田舎医師の子 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
石原というところに至れば、左に折るる路ありて、そこに宝登山ほどさん道としるせるいしむかいあいて、秩父三峰みつみね道とのしるべの碑立てり。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
公園の碑石いしに手を觸れ哀しめる心つめたく泣き出したり
短歌 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
人々よ、奧津城おくつきの冷たきいし
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
昔は大名か何かの、奇麗な御殿があった所だと見えて、大きな礎石いしや、かわらかけや、石垣などが残っています。
迷い路 (新字新仮名) / 小川未明(著)
親戚しんせき故旧こきゅう打ち寄りて、妾の不運を悲しみ、遺屍いし引き取りの相談までなせしとの事なりしも、幸いにして幾ほどもなく快方に向かい、数十日すじゅうにちを経てようやく本監に帰りたるうれしさは
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
「指環は、ごらんの通り、婦人の小型、金剛石いしは一・半カラット、白金プラチナだい、時価二千円ならば当店でも買えるという品物なんですよ、諸君」
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
充分老師もご存知の通り、神保帯刀の持ち山からは金石一つ出ぬと云いふらしたは味方の人心を動揺させぬつたなき我らが計略でその実金石いしの出ないのは我らが持ち山の天蓋山でござる。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「か、勘当かんどうじゃ! 勘当じゃ! 子には背かれ、家臣には裏切られ、鉱山からは鉱石いしが出ぬ! 葡萄大谷ももう末じゃ! 出てしょう! 出て失しょう! ことごとく去れよ! わしは一人じゃ! 俺は一人じゃ!」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
俺はいわしのようなヒョロヒョロの星やめだかのような黒い隕石いしはみんなパクパクんでしまうんだ。
双子の星 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
即ちすでに五月中栃木県では中山丹次郎、横尾輝吉、早川忠吾等十九名の県会議員によって仲裁会なるものが成立し、これが知事折田平内の頣使いしのままに動いていた。
渡良瀬川 (新字新仮名) / 大鹿卓(著)