燧石いし)” の例文
やがて、燧石いしを切る音が、紙帳の中から聞こえて来、すぐにボッと薄黄いろい燈火ひのひかりが、紙帳の内側から射して来た。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と紋太郎はとうにさっきから眼覚めていたので、こう云いながら起き上がると布団の上へ胡坐あぐらを掻いた。それからカチカチと燧石いしを打ってぼっと行燈あんどんへ火を移した。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
燧石いしを打って火を作る。松火は焔々と燃え上がった。