“燧石”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひうちいし67.9%
ひうち20.8%
いし5.7%
すいせき1.9%
すゐせき1.9%
プリント1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それで、この先月あとつきの船で届いたモスケッタ銃だが、火繩ほくちをあちこちさせる種ヶ島流とちがい、燧石ひうちいしを使った引落しの式になっている。
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
露八は、うしろへ手をのばして、煤黒すすぐろ行燈あんどんを膝へよせた。カチッ、カチッと燧石ひうちの青い火がとぶたびに、お蔦の白い横顔がに入る。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがて、燧石いしを切る音が、紙帳の中から聞こえて来、すぐにボッと薄黄いろい燈火ひのひかりが、紙帳の内側から射して来た。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
朝は日を受けて柔和な桃色をし、昼は冴えた空に反映して、燧石すいせきのようにキラキラきらめき、そのあまりに純白なるために、傍で見ると空線に近い大気を黒くさせて、眼を痛くすることがある。
高山の雪 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
その骨にきざ燧石すゐせき
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
現に先に述べた頭蓋骨ずがいこつの出たその地層からただ一つだけ燧石プリントが発見されたが、おもしろいことには、その石器は自然のままの物ではなくて、確かに造られたものである。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)