“燈火”のいろいろな読み方と例文
新字:灯火
読み方(ふりがな)割合
あかり45.1%
ともしび44.5%
とうか4.1%
あかし1.8%
1.4%
ともし1.0%
ひかり0.8%
とうくわ0.6%
ともしひ0.2%
ひのひかり0.2%
(他:2)0.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“燈火”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語9.9%
文学 > 日本文学 > 戯曲8.3%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)7.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
それは十分に燈火あかりのついていない広い室であって、あるいは一せいに騒ぎ立ち、あるいはまたひっそりと静まり返っていた。
晩になって、彼はウエスト街に行き、四階の窓に燈火あかりがさしてるのを見た。彼はその燈火が消えるまで窓の下をうろついた。
花卉くわきかをり、幽かなる樂聲、暗き燈火ともしびやはらかなる長椅は我を夢の世界にいざなひ去らんとす。
天の奧より冠の如き輪形わがたを成せる一の燈火ともしび降りてこの星を卷き、またこれが周圍まはりをめぐれり 九四—九六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
左の方には新地しんちの娼楼に時として燈火とうかを点じて水上に散在する白魚船しらうおぶね漁火ぎょかに対せしめよ。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
下町の女の浴衣をば燈火とうかの光と植木や草花の色のあざやかな間に眺め賞すべく、東京の町には縁日えんにちがある。
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「そうだ。おら去年烏瓜の燈火あかしこさえた。そして縁側えんがわつるして置いたら風吹いて落ちた。」と耕一が言いました。
風野又三郎 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
炉の火はだんだんに消えて、暗い家のなかにかすかに揺れているのは仏前の燈火あかしばかりである。
くろん坊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その建物と主殿とを繋いで、長い廻廊が出来ていたが、その廻廊に青い燈火が、一点ユラユラと揺れながら、建物の方へ進んで行く。
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
甚内はちょっと躊躇ためらったが、場合が場合なので案内も乞わず燈火のある座敷へつかつかと行った。
三甚内 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
たれも彼の部屋へ、燭を運ばなかった。夜ごとの燈火ともしも、彼自身でともすのが、この書斎の習慣であったから。——
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
暗い廊下を、楽翁の足音が、遠くなって行った。——越前守は、残された燈火ともしのまえに、さし俯向いていたおもてを、きっと上げると、
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三味線の音が急に止み、サラサラと衣擦れの音がした。と、雨戸が静かに引かれ颯と燈火ひかりが庭へ射した。
赤格子九郎右衛門の娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一基の燭台が置いてあり、燈心を引いて細めた燈火ひかりが、部屋を朦朧と照らしていた。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
殊に歳暮さいぼの夜景の如き橋上けうじやうを往来する車のは沿岸の燈火とうくわと相乱れて徹宵てつせう水の上にゆらめき動く有様ありさま銀座街頭の燈火とうくわよりはるかに美麗である。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
ればかりでなく黒ずんだ天井てんじやう壁襖かべふすまかこまれた二階のへやがいやに陰気臭いんきくさくて、燈火とうくわの多い、人の大勢おほぜいあつまつてゐる芝居しばゐにぎはひが、我慢がまん出来できぬほど恋しく思はれてならなかつたのである。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
寐屋ねや燈火ともしひまたヽくかげもあはれさびしや丁字頭ちやうじがしらの、はなばれし香山家かやまけひめ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
やがて、燧石いしを切る音が、紙帳の中から聞こえて来、すぐにボッと薄黄いろい燈火ひのひかりが、紙帳の内側から射して来た。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
燭台の皿へ、丁字ちょうじが立ったらしく、燈火ひのひかりが暗くなった。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その喜びをもうさんため、神棚に燈火みあかしを点じようとして立った父が、そのまま色をかえて立窘たちすくんだ。
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「右舷の方に妙な船が居るぜ。今迄この氷山の中を滅茶苦茶に急いで来ていたようだが先刻から急に停船しているよ。何だか燈火ライトの様子が只事じゃないらしいんだ。君、寝る前に、あの船と無電の交換はなかったのか」
運命のSOS (新字新仮名) / 牧逸馬(著)