“ひかり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
65.0%
光明5.6%
4.2%
光線3.4%
陽光3.2%
日光2.1%
火光1.9%
光芒1.1%
光輝1.1%
燈火1.1%
(他:43)11.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
而してわれより出るしゆひかりわれしんぜずしてしゆしんずるにいた
問答二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)
洋燈らんぷひかり煌々くわう/\かゞやいて、何時いつにか、武骨ぶこつなる水兵等すいへいら
ロミオ せんたびもまんたびもおれ機嫌きげんがわるうなったわ、そもじといふ光明ひかりえたによって。
戀人こひゞとそのうるはしい光明ひかりで、戀路こひぢやみをもらすといふ。
——私は、妻の肩に腕をのせて、車がしげしげと曲る毎に、冬子の、白い顔にひかりがフラツシユするさまを、うつとりと眺めてゐた。
波の戯れ (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
はつきりと、もう明け放れてひかりの金色の箭が山の頂きを滑つて、模型と化してゐる水車の翼に戯れながら、川岸の草々の露を吸ひとつてゐた。
バラルダ物語 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
何刻なんどきほどたったか……フと寝返りをうった源三郎は、まぶたに、ほのかに光線ひかりを感じて、うす眼をあけました。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
太陽の光線ひかりに当るのが左程さほどこわければ、来生らいせい土鼠もぐらもちにでも生れ変って来るがいい。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
峰の斜面は陽光ひかりを受けて虹のように燦然さんぜんと輝き返り、その岨道そばみちを大鹿の群が脚並み軽く走ってはいるが
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
門の傍の教會、路、靜寂な丘、すべては秋の日の陽光ひかりの中に靜かにやすんでゐる。
若葉のかげによく熟れた美しい茜と紅とを交ぜたこの果実が、葉漏れの日光ひかりに柔らかくおいしそうに輝いていた。
幼年時代 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
日光ひかりの加減であおくも見えまたある時は黄色くも見えまた黒くも見えるように
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
貴所方あなたがたは」と糸子を差し置いて藤尾ふじおが振り返る。黒い髪の陰からさっと白い顔がす。頬の端は遠い火光ひかりを受けてほの赤い。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と、その視線の遥かかなたの、木立の間から一点の火光ひかりが、薄赤い色に輝いて見えた。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と思うと、今度は右手の沖合へ、仄明くサーチライトの光芒ひかりをひらめかして、大きく円を描きながら消え去って行った。
動かぬ鯨群 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
ふと見ると、赤銅しゃくどうのような色をした光芒ひかりの無い大きな月が、おほりの松の上に音も無く昇っていた。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
壁にかけられた油絵のけばけばしい金縁の光輝ひかりさえ、黄昏たそがれ時の室の中の、鼠紫の空気の中では毒々しく光ることは出来ないらしい。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
旭の光輝ひかりに照らされたる、人形の瞳は玲瓏れいろうと人を射て、右眼、得三の死体を見てめいするがごとく、左眼泰助を迎えて謝するがごとし。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
三味線の音が急に止み、サラサラと衣擦れの音がした。と、雨戸が静かに引かれ颯と燈火ひかりが庭へ射した。
赤格子九郎右衛門の娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一基の燭台が置いてあり、燈心を引いて細めた燈火ひかりが、部屋を朦朧と照らしていた。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そこへ、お前が、耀ひかりの翼で触ってやると、人間は、五月の樫が朝露に会ったように、活々と若く、甦るのです。
対話 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
ここに日の耀ひかりのじのごと、その陰上ほとに指したるを、またある賤の男、その状をあやしと思ひて、恆にその女人をみなの行を伺ひき。
太子は、推古天皇の三十年に薨去されたが、天皇をはじめ奉り、全国民に至るまで「日月ひかりを失ひ、天地既に崩れぬべし」と、嘆いたと云はれる。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
望む限り、縹緲ひょうびょう、地平線に白銀のひかりを放ち、こうとして夢を見るが如し。
話が途断れると、屋根の上をコト/\と鴉の歩き廻る音がする……由三はなまりのやうな光彩ひかりすらない生涯を思浮べながら、フト横に轉がツた。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
遠く光彩ひかりを沈めけり
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
諸侯だいみょう別業しもやしきで、一器ひとつ、六方石の、その光沢ひかり水晶にして、天然にしょうの形をしたのがある。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ゴンクール氏の顔は見る見る緊張した。その皮膚は素焼の陶器のように、全く光沢ひかりを失って、物凄い、冷たい眼の光りばかりがハタハタと女を射た……。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
日浮びてひかりを重ね、雲散りてかすまず。
ゆふべのひかりをさまりて、
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
月光ひかりの中へ出て、いよいよ白く見える老人の白髪は、そこへ雪が積もっているかのようであり、洋犬のように長い顔も、白く紙のようであった。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
髪を乱し襟を拡げ、返り血を浴びた主税がその間に立ち、血にぬれた刀を中段に構え、開いている雨戸から射し込んでいる月光ひかりに、姿を仄かに見せていた。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ヤソが再び私を膝の上にのせてくれた時、情の織手は隣りに坐している真しろい栄光ひかりの姿の方に向いた、ヤソは私にあの人こそは世界の秘密の、若さの織手であると教えてくれた。
最後の晩餐 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
「私は平和だ」その栄光ひかりが言った。
海豹 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
灯火ひかりをうけたカーテンの青い睡気のその前に。
と、同時に、あとの四人、いずれも、抜き連れた刀に、赤黒い灯火ひかりを宿させて、間柄助次郎の手にあまったら、ほんとうに、即座に斬り伏せようという気勢——もはや、もてあそあざけって悪謔あくぎゃくをほしいままにしようなぞという、いたずら気は毛頭なかった。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
家を出でゝ程久しきに、母も弟も還ること遅し、鴉はもりに急げども、帰らぬ人の影は破れしのき夕陽ゆふひ照光ひかりにうつらず。
鬼心非鬼心:(実聞) (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
蕭条せうでうとした両岸の風物はすべての夕暮の照光ひかりと空気とに包まれて了つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
こっちの部屋から流れこんで行く燈光ひかりで、その部屋はぼっと明るかったが、その底に濃紫こむらさき斑點しみかのように、お八重は突っ伏して泣いていた。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それともひとみやうや闇黒あんこくれたためか、わたくしからうじてその燈光ひかり主體ぬしみと途端とたん
たゞその甲板かんぱんからはえず探海電燈サーチライト閃光ひかり射出しやしゆつして、あるひ天空てんくうてら
いや、弔砲の閃光ひかりかも知れん」
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
家中うちゞうおもておくしておいでまちまするの愛想あいさう御祝儀ごしうぎ餘光ひかりとしられて
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
家中表へ送り出してお出を待まするの愛想、御祝義の餘光ひかりとしられて
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
頼んで置いた車がしとて此処ここからして乗り出せば、家中うちぢう表へ送り出してお出を待まするの愛想、御祝義の余光ひかりとしられて
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
光烱ひかり照りそふ水けぶり
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
五郎蔵は、むしろ唖然とした眼付きで、春陽を受けた剣が、虹のような光茫ひかりを、刀身の周囲に作って、卯の花のように白い薪左衛門の頭上に、振り冠られているのを見上げたが、
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
目に入るものは、何もかも——さびを帯びた金色こんじきの仏壇、生気の無いはす造花つくりばな、人の空想を誘ふやうな天界てんがい女人によにんの壁にかれた形像かたち、すべてそれらのものは過去すぎさつた時代の光華ひかり衰頽おとろへとを語るのであつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
強い声だ。おこうが、命令したのだ。藤吉もわれ知らず起って、炉の火の投げる光野ひかりのなかへ、はいって来ていた。
倉庫の 間にや 護謨合羽かつぱの 反射ひかりだ。
しかし明るい戸口の外光ひかり背負しょって立っている男が、染八でもなく喜代三でもなく、武士だったので、乾児たちは一度に口をつぐんでしまった。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)