“一段”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いちだん72.0%
もつと8.0%
いつだん4.0%
ひときだ4.0%
ひとつ4.0%
もっと4.0%
シーン4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
風情ふぜい一段いちだんで、みぎはには、所々ところ/″\たけひく燕子花かきつばたの、むらさきはなまじつて、あち此方こちまたりんづゝ、言交いひかはしたやうに、しろはなまじつてく……
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
全く世事を超越した高士の俤、イヤ、それよりも一段もつと俗に離れた、俺は生れてから未だ世の中といふものが西にあるか東にあるか知らないのだ、と云つた樣な顏だ。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
双方共々に道徳のおしえもあり、経済の議論もあり、文に武におの/\長所短所ありながら、さて国勢の大体より見れば富国強兵、最大多数、最大幸福の一段いつだんに至れば
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
つづきたるきざはしの、われも一段ひときだ
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
おらア矢切村でハア小畠こっぱたけ一段ひとつも持ってるものが、堀切くんだりまで強請騙りにはめえりませんよ、そんな人情の解らねえ事をいっても駄目だ、伊之助さんのことを心配しんぺえして、塩梅あんべえは悪くはねえかと
抱起だきおこして「これ、俯向うつむき轉倒ころばしゃったな? いま一段もっと怜悧者りこうものにならッしゃると、仰向あふむけ轉倒ころばっしゃらう、なァ、いと?」とふとな
劇の一段シーンがたった五六行で、始まるかと思うとすぐしまわねばならぬと思うのに、作者は大胆にも平気でいくらでも、こんな連鎖を設けている。
作物の批評 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)