“ひとつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一個30.0%
16.3%
一杯7.4%
一箇6.2%
一番5.3%
一歳3.6%
一頭2.1%
同一2.1%
一枚1.8%
一片1.8%
(他:79)23.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一個ひとつから二個ふたつ、三個という順序に、矢つぎ早に打つのが得意でそれが敵をして一番恐怖こわがらせるのであった。
幼年時代 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
もとより貫一が力のあたふべきにあらず、鴫沢隆三の身一個ひとつ引承ひきうけて万端の世話せしにるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
じいさんの御話おはなしからかんがえてましても、竜宮りゅうぐうはドウやらひとつ蜃気楼しんきろう
で、このうみ修行場しゅぎょうばわたくしにとりてひとつなみだ場所ばしょでもありました。
「失礼をするかも知れないが、まあ、一杯ひとつ。ああ、——ちょうどお銚子が来た。女中ねえさん、お酌をしてあげて下さい。」
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さうしてる間にも、清子は嫁の身の二三度家へ行つて見て来た。その度、吉野に来て一杯ひとつ飲めと加藤の言伝ことづてを伝へた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
翫具おもちや一箇ひとつりやしないわ!それで、お稽古けいこばかり澤山たくさんさせられてさ!あァうしやう
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
「それや好都合だった。ほかじゃないが、そちの炭焼がまで、人間の体を一箇ひとつ、こんがりと焼いて貰いたいのだが……」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
当家こちらのお母堂様ふくろさまも御存じじゃった、親仁こういう事が大好きじゃ、ひら一番ひとつらせてくれ。
錦染滝白糸:――其一幕―― (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「酔興さ。私も酔興だから、おまえさんも酔興に一番ひとつ私の志を受けてみる気はなしかい。ええ、金さん、どうだね」
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
兄弟三人皆軍籍に身を置いて、三男の狷介けんすけと云ふのが、静子の一歳ひとつ下の弟の志郎と共に、士官候補生になつてゐる。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
と力に任して二ツ三ツこじりましたから、無慙にもおくのは、一歳ひとつになるお定を負ったなり殺されました。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
一頭ひとつ、ぬっと、ざらざらな首を伸ばして、長くって、汀を仰いだのがあった。心は、初阪等二人とひとしく、絹糸の虹をながめたに違いない。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「若様どうぞ、そりゃ平に、」とばかり、荒馬を一頭ひとつ背負しょわされて、庄司重忠にあらざるよりは、誰かこれを驚かざるべき。見得も外聞も無しに恐れ入り、
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
惚れていますともさ。同一ひとつ家に我儘わがままを言合って一所に育って、それで惚れなければどうかしているんです。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かくて六箇むつの車輪はあたかも同一ひとつの軸にありて転ずるごとく、両々相並びて福岡ふくおかというに着けり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まどはなふすまひらけるゆふべ紫陽花あぢさゐはな花片はなびら一枚ひとつづゝ
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
添えた模様の琴柱ことじ一枚ひとつが、ふっくりと乳房を包んだ胸をおさえて
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
空は雲一片ひとつなく穏かに晴渡つて、紫深くくろずんだ岩手山が、歴然くつきり夕照せきせうの名残の中に浮んでゐる。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「実はどういうんだか、今夜の雪は一片ひとつでも身体からだへ当るたびに、毒虫にさされるような気がするんです。」
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うすると、……あのお薬包くすりつゝみと、かあいらしい爪取剪つめとりはさみ一具ひとつと、……
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
のぞくまでの事はない。中でも目に立った、落着いて花やかな彩色いろどり花瓶はながめ一具ひとつ、まだ飾直しもしないと見えて、周囲一尺、すぽりと穴のあいたようになっているのだから。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「わしかね、わしも実は関東さ、常州水戸……ではない土浦生れが流れ流れて、花の都で女子供を相手にこんな商売をしていますよ。失礼、一献ひとつ
隅「本当でございますから疑りをはらして一献ひとつ戴きましょう」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
甲「いや貴方のおいでまでの事はないが、おで下されば千万有難いことで、何とも恐入りました、へゝゝ、ま一盃ひとつ召上れ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「しばらくの間、またそちの姿も見られなくなる。つまり今宵こよい別盃べっぱいじゃ、まあ一盃ひとつ受けてくれい」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
貫一は止む無くその一盞ひとつを受けたり。はやかく酒になりけれども、満枝が至急と言ひし用談に及ばざれば、
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「これお一盞ひとつで後はしてお強ひ申しませんですから、これだけお受けなすつて下さいましな」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
もしそのときでも油斷ゆだんしてゐたらば、一突ひとつきに脾腹ひばらかれたでせう。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
大尉はたちまちそれに追い付いて、そのまっくろな頭にするど一突ひとつき食らわせました。
烏の北斗七星 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
この瓜に、朝顔の白い花がぱっと咲いた……結綿ゆいわたを重そうに、娘も膝にたもとを折って、その上へ一顆ひとつのせました。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
苦桃にがもも一顆ひとつ浮波々々ふわふわ浮来うききたりぬ、
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
我は見き(いまも思へば我心わなゝく)、一匹ひとつの蛙殘りて一匹ひとつ飛びこむことあるごとくひとりの者のとゞまるを 三一—三三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
また一匹ひとつはその腕にからみてはじめの如く彼をいましめ、かつ身をかたくその前に結びて彼にすこしも之を動かすをゆるさゞりき 七—九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
その雪烟ゆきけむりの中に迷うが如き火の光が一点ひとつ、見えつ隠れつ近寄って来たので、忠一は思わず声をあげて呼んだ。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
すると又、突然いきなりふんどし一点ひとつで蚊帳の外に跳出とびだしたが、自分の荷物は寝る時のまんまで壁側にある。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ぽっちり三臠みきれ五臠いつきれよりは附けないのに、葱と一所ひとつけて、鍋からもりこぼれるような湯気を、天井へ立てたはうれしい。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「むかうへむく/\と霧が出て、そつとして居る時は天気ぢやがの、此方こちらの方から雲が出て、そろ/\両方から歩行あよびよつて、一所ひとつになる時が此の雨ぢや。びしよ/\降ると寒うござるで、老寄としよりには何より恐しうござるわいの。」
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
浜の方へ五六間進むと、土橋が一架ひとつ、並の小さなのだけれども、滑川なめりがわかかったのだの、長谷はせ行合橋ゆきあいばしだのと、おなじ名に聞えた乱橋みだればしというのである。
星あかり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
はまはうへ五六けんすゝむと、土橋どばし一架ひとつなみちひさなのだけれども、滑川なめりがはかゝつたのだの、長谷はせ行合橋ゆきあひばしだのと、おなじきこえた亂橋みだればしといふのである。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そして、一滴ひとつ二滴ふたつしろがねの雫を口の中にらした。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
そして、一滴ひとつ二滴ふたつしろがねの雫を口の中に滴らした。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
一瓶ひとつ煖酒つけましょか、とかゆいところへよく届かす手は口をきくそのひまに、がたぴしさせずぜんごしらえ、三輪漬はの香ゆかしく
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
日は暖かでも風が冷く途中は随分ひえましたろ、一瓶ひとつ煖酒つけましよか、と痒いところへ能く届かす手は口をきく其ひまに、がたぴしさせず膳ごしらへ、三輪漬はの香ゆかしく
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
まへ氣位きぐらゐたかいからげんさんと一處ひとつにならうとはおもふまい、それだものなほことぶん子細しさいがあるものか
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
了簡一つでは今のお内儀さんに三下みくだり半をも遣られるのだけれど、お前は氣位が高いから源さんと一處ひとつにならうとは思ふまい、夫だもの猶の事呼ぶ分に子細があるものか、手紙をお書き今に三河やの御用聞きが來るだろうから彼の子僧に使ひやさんを爲せるが宜い
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
大旦那が御目通りにて始めよりの事を申、御新造が無情そのまゝに言ふてのけ、術もなし法もなし正直は我身の守り、逃げもせず隱られもせず、欲かしらねど盜みましたと白状はしましよ、伯父樣同腹ひとつで無きだけを何處までも陳べて
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
最早この時わが命は無き物、大旦那が御目通りにて始めよりの事を申、御新造が無情そのままに言ふてのけ、術もなし法もなし正直は我身の守り、逃げもせず隠られもせず、欲かしらねど盗みましたと白状はしましよ、伯父様同腹ひとつで無きだけを何処までもべて
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
美男であり、勝入の姫とのあいだには、ほのかな恋のうわさまで立って夫婦ひとつになった彼として——きょうの死装束しにしょうぞくは、あまりにも悽愴せいそうすぎる。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お願い致しますオースチン老師、どうぞ二人の若い男女を、あなたの力で末永く幸福にお導きくださいますよう! そしてお互いに愛し愛された、二人の者をあなたのお教えで、夫婦ひとつになされてくださりますよう!」彼は熱心に心の中でこう祈願しているのであった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ちょっと逡巡ためらったのち、上野は、人さし指を一本立てて見せた。百両ひとつの意味だった。
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
あい丈助どん、わっしも種々と心配したんざますが、何をいうにも立退の中なり馴染の客衆は無し、何うしてもお金が出来ないざますが、今夜ふりにあがった客衆は百両ひとつばかりのお金の塊を持ってるんざますが、初会のお客に無心をいったって貸して呉れよう道理は有るまいが
森羅万象しんらばんしょう、人類をはじめ、動植物、鉱物、一切の元素が、一々ひとつずつ微細なる活字となって、しかも、各々おのおの五色のかがやきを放ち、名詞、代名詞、動詞、助動詞、主客
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
考へてふさいだところで、つまらない世の中に儚い人間と生れて来た以上は、どうも今更為方が無いぢやないか。だから、つまらない世の中を幾分いくらか面白く暮さうと考へるより外は無いのさ。面白く暮すには、何かたのしみが無ければならない。一事ひとつかうと云ふ楽があつたら決して世の中はつまらんものではないよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
なほ一件ひとつ最も彼の意を強うせし事あり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
自分は又神経質に過るから、思過おもひすごしを為るところも大きにあるのだ。それにあの人からも不断言はれる、けれども自分が思過おもひすごしであるか、あの人がじようが薄いのかは一件ひとつの疑問だ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
二人を別々に離しても、円髷まるまげの女には円髷の女、銀杏返の女には銀杏返いちょうがえしの女が、ほか一体ひとつずつ影のように——色あり縞ある——影のように、一人ずつ附いて並んで、……いや、二人、三人、五人、七人、おなじようなのが、ふらふらと並んで見えるように聞き取られて、何となく悚然ぞっとした。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)