“ひとつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一個29.8%
16.9%
一杯7.1%
一箇7.1%
一番5.5%
一歳4.0%
同一2.4%
一頭1.8%
一片1.6%
一枚1.6%
一盞1.1%
一盃1.1%
一突1.1%
一顆1.1%
一具1.1%
一献1.1%
一匹0.8%
一点0.8%
同腹0.8%
一件0.5%
一処0.5%
一所0.5%
一架0.5%
一滴0.5%
一瓶0.5%
一處0.5%
夫婦0.5%
百両0.5%
同盟0.3%
一々0.3%
一事0.3%
一体0.3%
一双0.3%
一吐0.3%
一咳0.3%
一器0.3%
一團0.3%
一尾0.3%
一撞0.3%
一条0.3%
一條0.3%
一段0.3%
一疋0.3%
一筋0.3%
一脚0.3%
一般0.3%
一葉0.3%
一語0.3%
一路0.3%
一躰0.3%
一面0.3%
一點0.3%
人憑0.3%
単個0.3%
同住0.3%
同心0.3%
同様0.3%
同衾0.3%
單個0.3%
壹疋0.3%
統一0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
巾着の紐が指に引懸って横になるとパラ/\/\と中から金子かね散乱ちらばったから慌てゝお筆が之を隠し手拭を一筋ひとつに一朱銀を一個ひとつ出して
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
シノネ曰ふ、我はことばにて欺けるも汝は貨幣かねにて欺けるなり、わがこゝにあるはひとつの罪のためなるも汝の罪は鬼より多し 一一五—一一七
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「失礼をするかも知れないが、まあ、一杯ひとつ。ああ、——ちょうどお銚子が来た。女中ねえさん、お酌をしてあげて下さい。」
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さて竜伏いしずゑは其月の生気の方より右旋みぎめぐりに次第据ゑ行き五星を祭り、てうな初めの大礼には鍛冶の道をば創められしあま一箇ひとつみこと
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
今年卒業したらすぐに洋行でもしたいと思ふなら、又さう云ふ事に私も一番ひとつ奮発しやうではないか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
と夫婦の情で逢いたいから、すぐに飛出してこうかとは思ったが、一歳ひとつになるおさだの顔を見せたいと思いまして、これを抱起して飛んで参り
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
東京とうきやういたところにいづれも一二いちに勸工場くわんこうばあり、みな入口いりぐち出口でぐちことにす、ひと牛込うしごめ勸工場くわんこうば出口でぐち入口いりぐち同一ひとつなり、「だから不思議ふしぎさ。」といてればつまらぬこと。
神楽坂七不思議 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
……覗くと、静まり返った正面のきざはしかたわらに、べにの手綱、朱のくら置いた、つくりものの白の神馬しんめ寂寞せきばくとして一頭ひとつ立つ。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
村端れの溝に芹の葉一片ひとつ青んでゐないが、晴れた空はそことなく霞んで、雪消ゆきげの路の泥濘ぬかるみの處々乾きかゝつた上を、春めいた風が薄ら温かく吹いてゐた。
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
私は今夜中に此れ一枚ひとつを上げねば成らぬ、角の質屋の旦那どのが御年始着だからとて針を取れば、吉はふゝんと言つて彼の兀頭はげあたまには惜しい物だ、御初穗おはつうれでも着て遣らうかと言へば
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それだから早くお前さんがう云えばいのに、今になってんな事を云っても仕方がない、家主が引取に来ると云うから、御酒ごしゅ一盞ひとつも上げなければならないから其の支度をして置きなさい
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「しばらくの間、またそちの姿も見られなくなる。つまり今宵こよい別盃べっぱいじゃ、まあ一盃ひとつ受けてくれい」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
って、ばけものをおさえますと、早太はやたがあずかっていた骨食ほねくい短剣たんけんいて、ただ一突ひとつきにしとめました。
(新字新仮名) / 楠山正雄(著)
苦桃にがもも一顆ひとつ浮波々々ふわふわ浮来うききたりぬ
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
……きふごしらへのあぶらりないしらちやけた提灯ちやうちん一具ひとつに、ちひさくなつて、家中うちぢうばかりぱち/\として、陰氣いんき滅入めいつたのでは、なんにも出來できず、くちもきけない。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
墓詣はかまいりといっても、故郷くには遠国なので、浅草寺せんそうじへでもお詣りして、何か一つ、今日は善いことをして帰ろうと思うのだ。……だから遊山のつもりで、一献ひとつりましょう
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私の義務として恐らくは神の小羊こひつじ一匹ひとつであつたかも知れぬこの娘が、實は一人の墮落もの——眞の羊の群に屬する者ではなく、明らかに僞者にせものであり
この指一本、妙の身体からだかくした日にゃ、按摩あんまの勢揃ほど道学者輩がつえを突張って押寄せて、垣覗かきのぞきを遣ったって、黒子ほくろ一点ひとつも見せやしない、誰だと思う、おい、己だ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
逃げもせず隠られもせず、欲かしらねど盗みましたと白状はしましよ、伯父様同腹ひとつで無きだけを何処までもべて、聞かれずば甲斐なしその場で舌かみ切つて死んだなら
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「知らぬ疇昔むかしは是非もなけれど、かくわが親に仇敵あること、承はりて知る上は、もだして過すは本意ならず、それにつき、ここ一件ひとつの願ひあり、聞入れてたびてんや」
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
了簡りようけん一つでは今のお内儀かみさんに三下みくだはんをも遣られるのだけれど、お前は気位が高いから源さんと一処ひとつにならうとは思ふまい、それだものなほの事呼ぶ分に子細があるものか
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
むかうへむく/\と霧が出て、そつとして居る時は天気ぢやがの、此方こちらの方から雲が出て、そろ/\両方から歩行あよびよつて、一所ひとつになる時が此の雨ぢや。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
はまはうへ五六けんすゝむと、土橋どばし一架ひとつなみちひさなのだけれども、滑川なめりがはかゝつたのだの、長谷はせ行合橋ゆきあひばしだのと、おなじきこえた亂橋みだればしといふのである。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
較々やや霎時しばしして、自分はおもむろに其一片ひとひらの公孫樹の葉を、水の上から摘み上げた。そして、一滴ひとつ二滴ふたつしろがねの雫を口の中にらした。そして、いと丁寧に塵なき井桁の端に載せた。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
火鉢のそばへすぐまたもどってたちまち鉄瓶に松虫のおこさせ、むずと大胡坐おおあぐらかき込み居る男の顔をちょっと見しなに、日は暖かでも風が冷たく途中は随分ひえましたろ、一瓶ひとつ煖酒つけましょか
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
了簡りようけん一つではいまのお内儀かみさんに三くだはんをもられるのだけれど、おまへ氣位きぐらゐたかいからげんさんと一處ひとつにならうとはおもふまい、それだものなほことぶん子細しさいがあるものか
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あなたのお教えで、夫婦ひとつになされてくださりますよう!
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
わっしも種々と心配したんざますが、何をいうにも立退の中なり馴染の客衆は無し、何うしてもお金が出来ないざますが、今夜ふりにあがった客衆は百両ひとつばかりのお金の塊を持ってるんざますが
……そのように歩が悪いにもかかわらず貴殿と同盟ひとつになろうというには、何らか相当の理由がなくてはならぬ。さよう、理由は一つござる。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
剣道においては無二の達人、水練においても無双の名手、しかも不死身と云う事など皆ことごとく聞き及んでござる。——さあ、ご返答いかがでござるな? 同盟ひとつになられるかそれとも否か?
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
鉱物、一切の元素が、一々ひとつずつ微細なる活字となって、しかも、各々おのおの五色のかがやきを放ち、名詞、代名詞、動詞、助動詞、主客、句読くとう、いずれも個々別々、七彩に照って、かく開きました真白まっしろペエジの上へ
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
面白く暮すには、何かたのしみが無ければならない。一事ひとつかうと云ふ楽があつたら決して世の中はつまらんものではないよ。みいさんはそれでは楽と云ふものが無いのだね。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
円髷まるまげの女には円髷の女、銀杏返の女には銀杏返いちょうがえしの女が、ほか一体ひとつずつ影のように——色あり縞ある——影のように、一人ずつ附いて並んで、……いや、二人、三人、五人、七人、おなじようなのが
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さて太夫はなみなみ水を盛りたるコップを左手ゆんでりて、右手めてには黄白こうはく二面の扇子を開き、やと声けて交互いれちがいに投げ上ぐれば、露を争う蝶一双ひとつ、縦横上下にいつ、逐われつ、しずくこぼさず翼もやすめず
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……ほんのつかたち現われたわたしの初恋はつこいのまぼろしを、溜息ためいき一吐ひとつき、うら悲しい感触かんしょく一息吹ひといぶきをもって、見送るか見送らないかのあのころ
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
ト、いひつつしわぶき一咳ひとつして、く息も苦しげなり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
楽園がくえんと云うのだそうである。諸侯だいみょう別業しもやしきで、一器ひとつ、六方石の、その光沢ひかり水晶にして、天然にしょうの形をしたのがある。石燈籠ほどの台に据えて見事である。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
汝のはぎはかく輕くはあらざりしをとさけび、呼吸いきのせまれる故にやありけむ、その身をとある柴木と一團ひとつになしぬ —一二三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
私へ、斜めに、瓜を重いように、しなやかに取って、据えて、二つに分けると、魚が一尾ひとつ、きらりと光り、チンチンチンとうろこが鳴るとひとしく、ひらりと池の水へ落ちました。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一層静になったように思われる時、つけたばかりの燈火のもとに、独り夕餉ゆうげはしを取上げる途端とたん、コーンとはっきり最初の一撞ひとつきが耳元みみもとにきこえてくる時である。
鐘の声 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
貴客あなたには限りませず、薬売の衆、行者ぎょうじゃ、巡礼、この村里の人たちにも、お間に合うものがござんして、そのお代をと云う方には、誰方どなたにも、お談話を一条ひとつずつ伺います。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……さあ、これやしきあととおもはれる一條ひとつで、小高こだかいのは、おほきな築山つきやまだつたかもれません。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おらア矢切村でハア小畠こっぱたけ一段ひとつも持ってるものが、堀切くんだりまで強請騙りにはめえりませんよ、そんな人情の解らねえ事をいっても駄目だ、伊之助さんのことを心配しんぺえして、塩梅あんべえは悪くはねえかと
……其處そこで、昨日きのふ穿いたどろだらけの高足駄たかあしだ高々たか/″\穿いて、透通すきとほるやうな秋日和あきびよりには宛然まるでつままれたやうなかたちで、カラン/\と戸外おもてた。が、咄嗟とつさにはまぼろしえたやうで一疋ひとつえぬ。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
巾着の紐が指に引懸って横になるとパラ/\/\と中から金子かね散乱ちらばったから慌てゝお筆が之を隠し手拭を一筋ひとつに一朱銀を一個ひとつ出して
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
しの「いえ何でも宜うがす、無駄だから、それに位牌いへえいッける机を一脚ひとつ
それは、何です、剣術の先生は足がふるえて立縮たちすくんだが、座頭の坊は琵琶びわ背負しょったなり四這よつんばいになって木曾のかけはしをすらすら渡り越したという、それと一般ひとつ
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
写真の裏に一葉ひとつ々々、お墨附があってよ。年、月、日、西岡時彦写之これをうつす、お貞殿へさ。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
平田さんとかいう人を送り出しにおいでの時も、私しゃ覗いていたんだ。もう今日ッきり来られないのだから、お前さんの優しい言葉の一語ひとつも……。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
武州岩槻いわつきからくる道と、千住からくる葛飾かつしかの往還とが、ここで一路ひとつになって奥州街道となる幸手さっての宿に入り込んだのは前の四人で、高野橋の袂、網屋という旅籠はたごの一室に陣取り、川魚料理をさかな
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
現在のお蘭さまは懷かしく床しきほかに恐ろしく怕きやうにて、身も心も一躰ひとつになどゝ懸けても仰せられんことか、見たりしにはことなる島田髷に、美相は斯くぞ覺えし夢中の面影をとどめて
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あたまからほゝ縱横たてよこ繃帶ほうたいけてる。片頬かたほゝらでも大面おほづらつらを、べつ一面ひとつかほよこ附着くツつけたやうに、だぶりとふくれて、咽喉のどしたまで垂下たれさがつて、はちれさうで、ぶよ/\して、わづかにと、はな
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ひとへに寄縋よりすがる、薄暗うすぐらい、えさうに、ちよろ/\またゝく……あかりつてはこの一點ひとつで、二階にかい下階した臺所だいどころ内中うちぢう眞暗まつくらである。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
第三種(憑付ひょうふ編)狐憑きつねつき、人狐にんこ式神しきがみ狐遣きつねづかい、飯綱いづな、オサキ、犬神、狸憑たぬきつき、蛇持ち、人憑ひとつき、神憑かみがかり、魔憑まつき、天狗憑てんぐつ
妖怪学講義:02 緒言 (新字新仮名) / 井上円了(著)
砂の上に唯一人やがて星一つない下に、果のない蒼海あおうみの浪に、あわれ果敢はかない、弱い、力のない、身体単個ひとつもてあそばれて、刎返はねかえされて居るのだ、と心着こころづいて悚然ぞっとした。
星あかり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「——心は永久に同住ひとつで御座います」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
與之助の女々しく未練なるは弱年としわかのならひ、見る目の花に迷ひて行末の慮なければなるを、これと同心ひとつに成りて我れさへに心よはくば、辛き浮世になりのぼる瀬なくして
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
この人若いに似合にあわ沈着おちついたちゆえ気をしずめて、見詰めおりしが眼元めもと口元くちもと勿論もちろん、頭のくしから衣類までが同様ひとつゆえ、始めて怪物かいぶつなりと思い、叫喚あっと云って立上たちあが胖響ものおと
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
侍「ところで同衾ひとつに寝たんだ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
すなうへ唯一人たゞひとりやがてほしひとつないしたに、はてのない蒼海あをうみなみに、あはれ果敢はかない、よわい、ちからのない、身體からだ單個ひとつもてあそばれて、刎返はねかへされてるのだ、と心着こゝろづいて悚然ぞつとした。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
また百濟の國主こにきし照古せうこ牡馬をま壹疋ひとつ牝馬めま壹疋を、阿知吉師あちきしに付けてたてまつりき。この阿知吉師は阿直あちの史等が祖なり。また大刀と大鏡とを貢りき。
長き反響こだまの、遙なるおち、奥深き暗き統一ひとつの夜のごと光明のごと
現代小説展望 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)