“咄嗟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とっさ84.1%
とつさ15.3%
あなや0.2%
あはや0.2%
さっそく0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もしK中尉自身も砲弾のために咄嗟を失っていたとすれば、——それは彼にはどう云う死よりも幸福のように思われるのだった。
三つの窓 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
八五郎は咄嗟に構へを直すと、力任せに、辰三を突いたのです。爪先は三味線堀の水、間違ひもなく、その水の中に落ちたと思ひきや
見る間に出行く貫一、咄嗟紙門は鉄壁よりも堅くてられたり。宮はその心に張充めし望を失ひてはたと領伏しぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
簑笠を吹とられ、帽子ちぎられ、も吹みだされ、咄嗟といふ眼口襟袖はさら也、へも雪を吹いれ、全身呼吸半身に雪にめられしが
わが共同の邸宅に招き一盛大なる晩餐会を催すにつき、食堂、玄関、便所の嫌いなく満堂国花をもって埋むべし、という、例によって例のごとき、端倪すべからざるタヌが咄嗟の思い立ち。