“須臾”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
しゅゆ62.3%
しゆゆ15.9%
しばらく11.6%
すゆ2.9%
しばし1.4%
しま1.4%
しましく1.4%
たちまち1.4%
とき1.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僅かに得た人生の須臾しゅゆの間の安らかな時間を、ひたすら受けれようとして、日常の生活意識を杜絶とぜつした人々がみんな蝶にも見える。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
舳先へさきがこちらに向くかと思ったが、それは眼のあやまりで、須臾しゅゆのうちに白い一点になり、間もなく、それも見えなくなってしまった。
藤九郎の島 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
のみならず、岩間岩間や地の下に隠れていた薬線に火がつくと、さしも広い谷間も、須臾しゅゆにして油鍋に火が落ちたような地獄となってしまった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ベルナルドオのきずは命をおとすに及ばざりしかば、私は其治不治生不生の君が身の上なるべきをおもひて、須臾しゆゆもベルナルドオの側を離れ候はざりき。
匏樽ほうそんヲ挙ゲテ以テ相属あひしよくス、蜉蝣ふゆうヲ天地ニ寄ス、びようタル滄海そうかい一粟いちぞく、吾ガ生ノ須臾しゆゆナルヲかなし
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
今はハヤ須臾しゆゆも忍びがたし、臆病者と笑はば笑へ、恥も外聞もらばこそ、予はあわたゞしく書斎を出でて奥座敷のかた駈行かけゆきぬ。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
待つこと須臾しばらくにして詩人我に曰ひけるは、彼もだすために時を失ふことなく、なほ問ふことあらばいひて彼に問へ 七九—八一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
須臾しばらくしてつまはやうまりてゆらりと手綱たづな掻繰かいくるに、はうきしたり、こしもとるべきものなし。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
白練しろねりを束ねたる者は我なりと、明日霊銑むらの少年と湖辺に鼓噪こそうすると須臾しばらくして波湧き激声雷のごとく
その決心を試むる機会は須臾すゆに来たりぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
これは年々変化する味であらうが、秋の喰はせのマルタは極上、とんと軽く来て、須臾すゆもあらせずぐつと重く、カイヅやボラのやうに頭が強くないから、綸糸もしなやかに重く、ぬつと這入つて、すうとそれ、ぐぐとためてゐると、すぐ水面へふうと出る、それを玉網無しでツイと上げる。
魚美人 (新字旧仮名) / 佐藤惣之助(著)
須臾しばしを待つ間を、法壇を二𢌞り三𢌞り、緋の袴して輪に歩行いた。が、此は鎭守の神巫に似て、然もなんば、と言ふ足どりで、少なからず威嚴を損じた。
「あがへるこころぐやと、早く来て見むとおもひて」(巻十五・三六二七)、「相見ては須臾しましく恋はぎむかとおもへど弥々いよよ恋ひまさりけり」(巻四・七五三)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
幼婦をとめごおなこころ須臾しましくときむとぞおもふ 〔巻十二・二九二一〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
折ふし延宝二年臘月ろうげつ朔日ついたちの雪、繽紛ひんぷんとして六美女の名にちなむが如く、長汀曲浦ちょうていきょくほ五里に亘る行路の絶勝は、須臾たちまちにして長聯ちょうれん銀屏ぎんぺいと化して、虹汀が彩管さいかんまがふかと疑はる。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
須臾とき官軍みいくさ敗績やぶれぬ。水におもむきて溺死しぬる者おおし。艫舳へとも廻旋めぐらすることを得ず。
金将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)