“たちまち”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タチマチ
語句割合
65.7%
倏忽7.4%
忽地4.6%
忽然3.7%
立待2.8%
倐忽2.8%
1.9%
忽焉1.9%
1.9%
遽然1.9%
0.9%
倏急0.9%
忽如0.9%
火急0.9%
立地0.9%
須臾0.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
固より根がお茶ッぴいゆえ、その風には染り易いか、たちまちの中に見違えるほど容子ようすが変り、何時しか隣家の娘とは疎々うとうとしくなッた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
とは云ふものの自分なぞは、一旦大作を企つべき機縁が熟したと思つたら、ゲエテの忠告も聞えぬやうに、たちまちいきり立つてしまひさうな気がする。
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
見る人の心に耀かゞやきて、また倏忽たちまちに消えせにけり。
緑の種子 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
駒が岳に雲が去來して、沼の水も林も倏忽たちまちの中にかげつたり、照つたり、見るに面白く、寫生に困難らしく思はれた。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
が、寂寞せきばく忽地たちまちに破られた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
わが舌人ぜつじんたる任務つとめ忽地たちまちに余をらつし去りて、青雲の上におとしたり。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
爾時そのとき長者は歎息して、汝達には何と見ゆる、今汝等が足踏みかけしより此洲は忽然たちまち前と異なり、磧は黒く醜くなりすなは黄ばめる普通つねの沙となれり、見よ/\如何にと告げ知らするに二人は驚き
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
これが徃時むかしの、妻か、夫か、心根可愛や、懐かしやと、我を忘れて近寄る時、忽然たちまちふつと灯は滅して一念未生みしやうの元の闇に還れば、西行坐を正うして、能くこそ思ひ切り玉ひたれ
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
夜あかしには立待たちまちと称して、夜更けて月の昇るまで坐らず腰かけず、または瀬待せまちといって必ず流れ川の岸に立って待ち、または迎待むかえまちといって月の出る方角へ、月の出るまで歩行をつづけるなど、苦行を信心のうちにかぞえていたのは、以前の物忌が形を変えたものと思われる。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
まだ一時いつときだな、コレ有樣ありやう今夜こんやおいらは立待たちまちだからことがならねえ、此處こゝな、つててもはなし出來できやす。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
倐忽たちまちひとみこらせる貫一は、愛子のおもてを熟視してまざりしが、やがてそのまなこの中に浮びて、輝くと見ればうるほひて出づるものあり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「十一日。晴。たちまちあられ。朝四時夏島出帆。夜九時頃羽州秋田近海へ碇泊。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
セヰルラの剃手とこやの曲の爲めに登場する俳優は、たちまちち去り乍ち來り、演戲のその心をみださゞること尋常よのつねの社交舞に異ならず。
えしが、忽焉たちまち其長そのたけ一丈五
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
坐上ざじょうに躍ると見えしが、忽焉たちまち其長そのたけ一丈五尺の
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
毎年の事ながら不意の大雪にて廿七日より廿九日まで駅中えきちう家毎の雪ぼりにて混雑こんざついたし、簷外えんぐわいたちまち玉山をきづき戸外へもいでがたくこまり申候。
毎年の事ながら不意の大雪にて廿七日より廿九日まで駅中えきちう家毎の雪ぼりにて混雑こんざついたし、簷外えんぐわいたちまち玉山をきづき戸外へもいでがたくこまり申候。
嬋娟哥妓うつくしきげいしや袖をつらね、素手そしゆ弄糸いとをろうし朱唇しゆしん謡曲きよくをうたふ迦陵頻伽かりやうびんがこゑ外面如𦬇げめんによぼさついろきやうそゆれば、地獄谷ぢごくだに遽然たちまち極楽世界ごくらくせかいとなれり。
嬋娟哥妓うつくしきげいしや袖をつらね、素手そしゆ弄糸いとをろうし朱唇しゆしん謡曲きよくをうたふ迦陵頻伽かりやうびんがこゑ外面如𦬇げめんによぼさついろきやうそゆれば、地獄谷ぢごくだに遽然たちまち極楽世界ごくらくせかいとなれり。
たちまちにして太い銀針のような雨脚があたりを真白にしてしまう。
黒部川を遡る (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
倏急たちまち仰向あふむきたふおち
吾妻はばし川地のおもてながめ居りしが、忽如たちまちあをりて声ひそめつ「——ぢや、又た肺病の黴菌ばいきんでもまさうといふんですか——」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
立ながらあごに手伝はせての袖畳み小早く室隅すみの方に其儘さし置き、火鉢の傍へ直また戻つて火急たちまち鉄瓶に松虫の音をおこさせ、むづと大胡坐かき込み居る男の顔を一寸見しなに
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
大鮏は三尺あまりもあるものゝ鮁狂はねくるふゆゑ魚楑なつちといふものにてかしらを一打うてば立地たちまち死す。
折ふし延宝二年臘月ろうげつ朔日ついたちの雪、繽紛ひんぷんとして六美女の名にちなむが如く、長汀曲浦ちょうていきょくほ五里に亘る行路の絶勝は、須臾たちまちにして長聯ちょうれん銀屏ぎんぺいと化して、虹汀が彩管さいかんまがふかと疑はる。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)