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たちまち
ふりがな文庫
“
倐忽
(
たちまち
)” の例文
倐忽
(
たちまち
)
に
瞳
(
ひとみ
)
を
凝
(
こら
)
せる貫一は、愛子の
面
(
おもて
)
を熟視して
止
(
や
)
まざりしが、やがてその
眼
(
まなこ
)
の中に浮びて、輝くと見れば
霑
(
うるほ
)
ひて出づるものあり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
明るい色の
衣裳
(
いしょう
)
や、
麦藁帽子
(
むぎわらぼうし
)
や、笑声や、
噂話
(
うわさばなし
)
は
倐忽
(
たちまち
)
の
間
(
あいだ
)
に
閃
(
ひらめ
)
き去って、夢の
如
(
ごと
)
くに消え
失
(
う
)
せる。
冬の王
(新字新仮名)
/
ハンス・ランド
(著)
餘り下に見るより川巾狹く
棧橋
(
かけはし
)
より
太
(
いた
)
く劣るやうに見ゆるにてマンザラ捨た所にはあらず雨雲ちぎれて飛ぶが如く對面の山
倐忽
(
たちまち
)
有無
(
いうむ
)
また面白き景色となりしばらくは足の痛も忘れ石を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
いけ年を
仕
(
つかまつっ
)
てもとかく人
真似
(
まね
)
は
輟
(
や
)
められぬもの、
況
(
まし
)
てや小供という
中
(
うち
)
にもお勢は
根生
(
ねおい
)
の
軽躁者
(
おいそれもの
)
なれば
尚更
(
なおさら
)
、
倐忽
(
たちまち
)
その娘に
薫陶
(
かぶ
)
れて、
起居挙動
(
たちいふるまい
)
から物の言いざままでそれに似せ、急に
三味線
(
しゃみせん
)
を
擲却
(
ほうりだ
)
して
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
倐
部首:⼈
10画
忽
漢検準1級
部首:⼼
8画
“倐”で始まる語句
倐
倐然