“倐忽”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たちまち40.0%
しゅっこつ30.0%
しゆくこつ20.0%
にはか10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
倐忽たちまちひとみこらせる貫一は、愛子のおもてを熟視してまざりしが、やがてそのまなこの中に浮びて、輝くと見ればうるほひて出づるものあり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
すすきの芽が延びて来た。春が倐忽しゅっこつと逝ったのである。五月雨さみだれ木下闇このしたやみ、蚊のうなり、こうして夏が来たのである。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
霧収まりて天低う垂れ、銀錫ぎんしやく円盤大の白月、額に当つて空水流るゝこと一万里、截鉄せつてつの如き玄沙げんさ倐忽しゆくこつとして黒玻璃はりと化す。
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
ここに神倭伊波禮毘古の命倐忽にはかにをえまし、また御軍も皆をえて伏しき。