“倐”の読み方と例文
読み方割合
たちま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
舟はたちまち暗黒の裡に衝いて奔り、人は急転の勢を制する暇なく、以上ただ運命の司配に任すありしのみ。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
わたくしは抽斎の事を叙するはじめにおいて、天保十二年の暮の作と認むべき抽斎の述志の詩を挙げて、当時の渋江氏の家族を数えたが、たちまち来り倐ち去ったむすめ好の名はあらわすことが出来なかった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
いろ三つをかさねて、ひた/\とうつつて、あゐうかべ、みどりひそめ、くれなゐかして、なみや、かへかぜに、紅紫こうしりんはなたちまき、藍碧万顆らんぺきばんくわほしたちまひらいて、さつながるゝ七さいにじすゑ湖心こしんもつとふかところ
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)