“紅紫”の読み方と例文
読み方割合
こうし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
素通りした人の多かったのも無理はありませんが、実はその暖簾のれんの陰にこそ、紅紫こうしとりどりの女の歴史が、画かれてあったのであります。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
雛店というと、目の前に描き出されるのは直ちに店一杯真赤な色をしている、その赤い中に、金色もあれば、青色もあり、紫色もあり、白色もあり、紅紫こうし燦爛さんらん、人目をくらまするような感じである。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
林のはずれは広い草原くさはらになっていた。そこに十坪位の小さい池があってきれいな水をたたえていたが、その池のへりにも紅紫こうしとりどりの躑躅や皐月の花があった。憲一はその池のへりへ往って腰をかけた。
藤の瓔珞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)