“端”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はし31.7%
14.9%
はた11.9%
はず7.6%
はじ5.3%
はな5.3%
ぱし3.8%
たん3.0%
2.9%
さき2.5%
ばた1.7%
ばな1.1%
はて1.0%
はずれ0.8%
はした0.8%
はづ0.8%
ぱな0.6%
0.5%
つま0.5%
はづれ0.4%
0.4%
ぱた0.3%
ぶち0.3%
ぱじ0.2%
ぷち0.2%
ハシ0.2%
ハジ0.2%
ハナ0.2%
いず0.1%
そば0.1%
ただ0.1%
はしッ0.1%
はずみ0.1%
はてし0.1%
ぱずれ0.1%
ぱち0.1%
ぱづれ0.1%
ふち0.1%
へり0.1%
べり0.1%
ぺた0.1%
バナ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おじいさんのうちまちはしになっていまして、そのへんはたけや、にわひろうございまして、なんとなく田舎いなかへいったようなおもむきがありました。
おじいさんの家 (新字新仮名) / 小川未明(著)
日影なおあぶずりのゆたうころ、川口の浅瀬を村の若者二人、はだか馬にまたがりて静かにあゆます、画めきたるを見ることもあり。
たき火 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
或る晩などは逃後にげおくれた輝方氏が女中につかまつて、恋女房の蕉園女史にしか触らせた事のない口のはたを思ひ切りつねられたものださうだ。
そして四里先の大野木村のはずれには、父親の故郷の平戸島から二十軒ばかりの百姓を連れて来て、今、開墾させているというのです。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
で、げないばかりに階子はしごあがると、続いた私も、一所にぐらぐらと揺れるのに、両手を壇のはじにしっかりすがった。二階から女房が
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あがはなの座布団に男女連れがかけていた。入って行った石川の方に振り向いた女の容貌や服装が、きわだって垢ぬけて贅沢ぜいたくに見えた。
牡丹 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
僕は機関室へ帰ると直ぐに、汽鑵ボイラー安全弁バルブ弾条バネの間へ、鉄のきれぱしを二三本コッソリと突込んで、赤い舌をペロリと出したものだ。
焦点を合せる (新字新仮名) / 夢野久作(著)
凝然ぢつとしたしづかなつきいくらかくびかたむけたとおもつたらもみこずゑあひだからすこのぞいて、踊子をどりこかたちづくつての一たんをかつとかるくした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
町方役まちかたとか、牢役人などが、袖の下を取るのはおおびらだが——それにしても、牢番なんて下ッまでが小費こづかいをせびりに来るのかなあ』
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そんじゃ、めしでもって、一休みして、はじめるかの」と、一人は体を起して両手をさきさがりにうんとひろげながら背のびをした。
岩魚の怪 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
行燈あんどんが一つ、あがばたに置いてあるだけで、そこらはうす暗い。その半暗はんあんを乱して、パッ、奥の廊下を渡って来た風のような人影がある。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
考えても——あがばなには萌黄と赤と上草履をずらりと揃えて、廊下の奥の大広間には洋琴ピアノを備えつけた館と思え——彼奴きゃつが風体。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
日本のずうつと西のはて或国あるくにでは、氏神といつて、どこのうちでも、先祖代々自分だけの神様をまつつてをります。
蛇いちご (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
道の左には、半間ばかりの熊笹くまざさしげっていて、そのはずれからは十丈に近い断崖だんがいが、海へ急な角度を成していた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
優雅、温柔おんじゅうでおいでなさる、心弱い女性にょしょうは、さような狼藉にも、人中の身を恥じて、はしたなく声をお立てにならないのだと存じました。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
低い人家の軒にはもう灯がつきめて、曇つたまゝに暮れて行く冬の空は、西のはづればかりが黒い瓦屋根の上に色もなく光つて居る。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
ちょうど欧洲大戦のショッぱなで、青島チンタオから脱け出した三千六百噸の独逸ドイツ巡洋艦エムデンが、印度近海を狼みたいに暴れまわっている時分のことだ。
焦点を合せる (新字新仮名) / 夢野久作(著)
日は、此屋敷からは、稍ヒツジサルによつた遠い山のに沈むのである。西空の棚雲の紫に輝く上で、落日ラクジツは俄かにクルメき出した。その速さ。雲は炎になつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
月あかりに見れば、軒のつまにものあり。ともし火を一八四ささげて照し見るに、男の髪の一八五もとどりばかりかかりて、外には一八六露ばかりのものもなし。
丁度私の田舍は高い山のはづれで、一段づゝ石垣を築いて、その上に村落を造つたやうな位置にあります。私の家はその中央なかほどにありました。
「ははは。火放ひつびとが、火に追われて、を失うているような。……そのような老師を、正季もまた、何でお訪ねして行ったのか」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
堪忍かんにんしておくんなさい。みちぱたではおにかけねえようにと、こいつァいもうとからの、かたたのみでござんすので。……」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
それは石狩川の川ぶちに沿つてゐる林だつた。それで始めて、道を迷はずに來たことが分つた。
防雪林 (旧字旧仮名) / 小林多喜二(著)
わずかにデッキの上でバタバタと、その切れっぱじ洗濯せんたくしたおしめのように振れていた。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
それで宜い、江戸橋と、日本橋の御高札場と、萬町よろづちやうと、青物町と、二丁目の河岸つぷちへ一人づつつ張り込ませてくれ。
ハシナクモ、過グル頃ヨリ敵味方トワカレ、矢石シセキノアイダニ別ルルモ、旧情ハ一日トテ、忘レタコトハナイ。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
始め、五月最初の午の日であつたものが、五日に決められても、やはり、ハジめの午なのである。
雛祭りの話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ハナに油かけられた資人トネリは、表情に隱さず心の中を表した此頃の人の、自由な咄し方で、まともに鼻を蠢して語つた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
池をひとめぐりすると、私は公園の西のいずれのいぬしでの木立のある丘にゆき、そこにあるベンチに腰かけて休み、メリーの首輪から鎖をはずしてやる。
犬の生活 (新字新仮名) / 小山清(著)
といいながらかたえに有った粗朶そだを取上げ、ピシリと打たれるはずみに多助は「アッ」といいさま囲炉裏のそばへ倒れる処を、おかめは腕を延ばし、たぶさを取って引ずり倒しながら
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
この写真が、いま言った百人一首の歌留多のように見えるまで、御堂は、金碧蒼然きんぺきそうぜんとしつつ、漆と朱の光を沈めて、月影に青いにしきを見るばかり、おごそかただしく、清らかである。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鳶「おゝ娘さん冗談じゃアねえぜ、羽根を突くならもっとはしッぱたへ寄って突きねえ、人に怪我をさせて何うするんだ、冗談じゃアねえぜ、ひれとこで羽根が突きたけりゃア地面を買って突くがいや」
何かのはずみで土地の政党関係などに触れるとこの電燈会社が職工工夫に命令して無茶に電柱を立てたり横柄な測定をしたりしておびやかす様な事をする。
底なきふち。影なき日輪。はてしなき渦巻。
其重苦しい沈默の中に、何か怖しい思慮が不意に閃く樣に、此のトッぱずれのめりかゝつた家から、時時パッと火花が往還に散る。
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
蒲團ふとんいたぱちてえなんだよなあ、れとつたはうぢいかるつてよかつぺなほんに、さうつてもぬくとくなるつちやえゝもんだよ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
其重苦しい沈黙だんまりの中に、何か怖しい思慮かんがへが不意に閃く様に、北のトツぱづれのめりかかつた家から、時々パツと火花が往還に散る。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ばんまでかゝつてやうや土器どきふちでもつたらしいいしと、把手とつて平凡へいぼんなのを二三たばかり。
リキユールグラスのへりを這ふ蟲
放蕩の虫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
台下にはちらりほらり、貧しそうな農家は有るが、新利根川べりには一軒も無く、唯蘆荻あし楊柳かわやなぎが繁るのみで、それもだ枯れもやらず、いやに鬱陶うっとうしく陰気なので有った。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
「うん。で、何だが妙竹林みょうちきりんな物を口っぺたへぶら下げてやがるから、俺あ声揚げて追っかけたんさ。するてえと——。」
バナりおこしたる円座かな
松本たかし句集 (新字旧仮名) / 松本たかし(著)