つま)” の例文
月あかりに見れば、軒のつまにものあり。ともし火を一八四ささげて照し見るに、男の髪の一八五もとどりばかりかかりて、外には一八六露ばかりのものもなし。
長局ながつぼねの一つの入口に、男持ちの扇が落ちていた。扇のつまから、月が大きく画いてある物だった。それを拾った女房たちは、おもしろがって、ほかのつぼねの女房たちの間を見せまわったあげく
ながらふるつま吹く風の寒き夜にわがの君はひとりからむ(謝誉女王)
万葉集の恋歌に就て (新字旧仮名) / 三好達治(著)
つまり同じ影もつ家どなり春先はるさきといふに寒きにあり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
塔のつま月明らけしひらら飛ぶ二つ蝙蝠が金の羽の裏
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
塔のつま月明らけしひらら飛ぶ二つ蝙蝠が金の羽の裏
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
はしら黄金甍こがねいらかつまにして寝陵しんりようは見ゆまろ枯山からやま
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)